近所に住む知り合いのおばさんから、カミサンがカップ麺(めん)をもらった。そのひとつがこれ。「JAL ちゃんぽんですかい」とある=写真。首都圏に住む親せきからのお福分けだそうだ。コンビニで売っているシーフードヌードルなどと比べると、一回り、いや二回りは小さい。
JALといえば、日本を代表する航空会社だ。検索すると、同社が国際線の機内で提供するため、日清食品と共同開発をしたものだった。カップ麺シリーズのなかでは、平成27(2015)年秋に発売された、比較的新しい商品だ。
沸点の低い上空で食べることを前提にしているため、85度のお湯で戻るようになっている、とか。
この機内食が手に入ったころ、テレビが、ライバル会社のANAの機内食が売れていることを伝えた。新型コロナウイルスで航空会社は大打撃を受けた。収益確保の一環として、ANAは去年(2020年)暮れから機内食のネット販売を始めた。1月18日の第3弾を含めて、この1カ月で約5万食を完売したそうだ。
JAL機内食の販売はコロナ禍の前から行われている。買った人は機内食ファンかもしれない。単なる物珍しさから手に入れたのかもしれない。いずれにせよ、めぐりめぐってわが家の“地上食”になった。
航空会社に限らない。おそらくほとんどの企業が、コロナ禍によって本業だけでは食っていけない、あるいは業種転換も考えないといけない、といった状況に追い込まれているのではないか。その打開策の一つが、一般の消費者を相手にしたネット販売だろう。
ネットでは買い物をしない。カネがないのが理由だが、指先でポンと押すだけで欲しいものが手に入るとなると、ポン、ポンとやり続けかねない。結果は家計が赤字、ということになる。通販にはまってしまった人の話を聞くたびに、おれは手を出さない方がいいのだと自戒する。
若い仲間がネット古書店を開いている。私は欲しい古書があるときは、直接電話をして探してもらうか、リアルに店を訪ねて本棚を眺める。
ネットを利用する知り合いが何人もいる。史料を競り合うときもあるという。若い人にとっては、ネットでの売買はもはや生活の一部なのだろう。
JALのカップ麺の話に戻る。夏井川渓谷の隠居で、昼にこれを食べた。いくら小食になったとはいえ、ミニカップ麺だけでは足りない。コンビニで買った赤飯のおにぎりも加えた。
麺は極細。地上で売っているカップ麺の半分くらいだ。キャベツ・イカ・ニンジンなどの「かやく」も小さい。シーフード(魚肉ねり製品)+野菜のちゃんぽん風味。そして、やわらかくて上品な味。上空で食べるから「ちゃんぽんですかい」としゃれたわけだ。
確かに「海鮮の旨味」と印刷されている通りの味だったが、午後も3時を過ぎると腹がすいてきた。地上食としてはやはり、少し物足りない。
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