学校の後輩からクスノキの薪(まき)をもらった=写真上1。ドラム缶焚き火をするわけではない。
夏井川渓谷の隠居で、やっかいないきものが群れて越冬している。カメムシ。土いじりをするためにハンガーにつるしておいたコートを着ると、カメムシがバラバラ落ちる。その数、10や20ではきかない。どうやったらこれを防げるか。思い浮かんだのが箪笥(たんす)の樟脳(しょうのう)だ。
樟脳はクスノキから抽出される。クスノキ本体を置いておけば、強烈な香りに負けてカメムシが姿を消すのではないか。そんな淡い期待を抱いたのだった。
効き目の有無は、今度コートを着たときにわかる。ただし、カメムシがひそんでいるのはコートだけではない。押入の布団や居間の座布団、台所のふきんその他。乾いた布があればそのすき間に入り込んで、春まで寒さをしのいでいる。
効き目があればむろんいいが、なくてもかまわない。春になればいつかは、カメムシたちは姿を消すのだから。
添付されていたカードによると、町は日本最大の照葉樹林帯にあって、約400種の植物が自生する。廃校になった小学校の一部を製造工場に利用して、地産化粧品などをつくっている。
練り香水は2種類、ハーブのレモングラスか、芳樟(ほうしょう=クスノキの亜変種)のどちらかだという。
レモングラスは南インドやスリランカなどに生息する。芳樟は台湾が原産地だ。つまりは、栽培種を利用してつくった練り香水ということになるのだろう。使い方としては、適量を指先に取り、首筋や耳の裏、手首などに、なじませるように塗って香りを楽しむのだとか。
芳樟はクスノキと違って、主成分は香料になるリナロールだ。樟脳は虫を遠ざけるが、リナロールは人を近づける。容器の表面を見たら、残念ながらレモングラスだった。これは一度、芳樟の練り香水を手に入れるまで、「田苑」の紙パックを買うしかないか。
私はビンの「田苑」を飲んできた。ビンや缶類の収集日までには何本かたまる。ビンだとかさばるので紙パックの方がいいと、カミサンはいう。
たまたま正月三が日のうちに、プリン体ゼロの奄美大島産黒糖焼酎「れんと」を知った。紙パックだからたためば小さくなる。一升ビンを何本も出さなくて済む。その点ではカミサンが喜んでいる。
「田苑」に引かれながらも(それを飲むときには紙パックにするが)、今はすっかり「れんと」派になった。あした(2月6日)は近くの診療所へ薬をもらいに行く。酒量を半分に減らすように言われている。また注意されたら、「プリン体ゼロの焼酎に切り替えた」と言おう。
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