空を飛ぶものが目に入ったら、とりあえずカメラを連写モードにして撮る。小さなデジカメだ。データを拡大するとぼやける。ブレ・ボケを感じさせないギリギリのところまで大きくする。そうして拡大した写真を2枚紹介する。
1つは赤とんぼ=写真上1。ナツアカネかアキアカネかは、シルエットからは区別が難しい。が、翅の黒紋が小さいので、とりあえず赤とんぼとしておく。
10月初め、夏井川渓谷の隠居で土いじりをし、濡れ縁で一服していたとき、谷間を飛び交う赤とんぼが目に入った。
被写体としては人間の小指より小さい。そのうえ、絶えず動き回っている。たまたま赤とんぼの動きに合わせてカメラを振りながらシャッターを切ったら、ピントが合った。
猛禽類(ワシ・タカ・フクロウなど)は食物連鎖の頂点に立つ。自然界の生物が多様であれば、猛禽は安心して子育てができる。猛禽が飛んでいることは、その土地の自然が豊かなあかしでもある。
朝晩、夏井川の堤防を散歩していたころ、上空をよくチョウゲンボウが舞っていた。
今は国道6号に替わった旧バイパスの終点、夏井川橋に巣があるらしかった。橋脚に取り付けられた作業台の柵に止まっているのをよく見かけた。橋から上流にはヨシ原が広がっている。えさになるノネズミなどが生息していたのだろう。
「令和元年東日本台風」では、主に夏井川流域で甚大な被害が出た。その復旧と防災力強化のために河川敷の立木伐採・土砂除去工事が進められている。チョウゲンボウが狩り場にしていたヨシ原もあらかた姿を消した。
食物連鎖の観点からいうと、夏井川の下流域は猛禽が繁殖するような多様な環境ではなくなった。が、何年かたてばまた土砂が堆積し、ヨシが繁殖して、岸辺にはヤナギの若木が生えてくる。
気象災害だけでなく、「地域温暖化」も顕在化している。立冬(11月7日)が過ぎたというのに、蚊がまだ飛び回っている。
わが家では5月20日前後に蚊が現れて人間を刺し始める。最後に「チクッ」とやって姿を消すのは、これまでは10月20日ごろだった。
近年は11月に入っても蚊が現れる。刺された最後の日が10月27日(2016年)、11月6日(2018年)になり、去年(2020年)は11月19日までずれこんだ。10年前より1カ月も延びている。
とりあえず日常の出来事を写真と文字にして残す。人間をチクリとやる蚊は、それによって立冬後も出現することがわかった。「地域温暖化」をブログ(日記)から読み解く――なんてテーマで話す日が、もしかしたらきたりして。
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