このところ日曜日は天気がいい。11月21日も晴れたり曇ったりしながらも、穏やかな一日になった。
朝9時過ぎ、夏井川渓谷の隠居に着いて土いじりをした。畑に生ごみを埋め、三春ネギ=写真=を収穫し、ネギの苗床を覆っている落ち葉を取り除いた。
終わって敷地内を巡り、キノコの有無をチェックした。あれば立ち枯れの木のヒラタケだが、新しい発生はなかった。樹下の地面は落ち葉に覆われている。盛り上がるほどの量だ。
隠居への途中、JR磐越東線の江田駅前を通る。もう行楽客が歩いていた。県道小野四倉線沿いに、紅葉時期だけ直売所が三つできる。一つは地元の人たちの露地売り。白菜・大根などが並ぶ。あとは食事もできるテント村、そして背戸峨廊(セドガロ)入り口付近でのナガイモ直売。小野町のNさんがすでに到着して客と話をしていた。
田んぼをはさんだ夏井川のそば、キャンプ場の駐車場は“コロナ閉鎖”が解けて以来、満パイの状態が続く。テントも立つようになった。
穏やかな天気とはいえ、もう師走に近い。ジャンパーをはおって家を出た。隠居では首にタオルを巻いた。コロナ禍で夏もマスクで通したが、やっと今、違和感なく使えるようになった。空気が冷たい。鼻水が垂れる。それを防いでくれる。
しかし、マスクと首のタオルだけでは足りない。昼食後、座卓(こたつ)にカバーをかけた。部屋が夏から冬に切り替わった。
こたつに入って対岸の山を見る。灰色の幹と枝が斜面を覆い、合間にモミと赤松の濃い緑が伸びる。障子戸を開ければ天然の「ふすま絵」になり、半分閉めれば「掛け軸」になる。
師走に入ったら、温水器には注意をしないといけない。水を抜かないとたちまち凍結・破損する。洗面台の水道管も元栓を締める。
落葉樹はあらかた葉を落とし、谷のカエデだけが赤く染まっている。ほかの渓谷は知らないが、夏井川渓谷へは車でささっと来られる。これが人気の理由だろう。
極端な話、路駐をすれば、すぐカエデの赤を目の位置で撮影できる。毎年不思議に思うのだが、人気のあるカエデの木は決まっている。
なぜその木なのか、調べたことがある。写真雑誌でその木の紅葉の写真が特賞かなにかに入った。以来、賞を取れるカエデの紅葉として知られるようになったらしい。
しかし、この時期のお勧めは地面を覆う落ち葉だ。なかでも林内の小道は落ち葉のふとんをかぶってふかふかしている。
晴れた日、足を踏み入れると「カサッ、カサッ」。雨上がりには、落ち葉が濡れてペチャンコになる。ほんとうの「濡れ落ち葉」だ。
カエデの写真もいいが、山道の落ち葉の写真も地面すれすれからあおるように撮るとおもしろい。
もっとも、列車には落ち葉は障害物だ。昔は線路に落ち葉が積もって車輪が空回りすることもあった、と聞いた。そういう人間とのかかわりまで想像して写真を撮ると、味わい深い「作品」になるのではないか。
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