2021年11月20日土曜日

ザアタル入りハンバーグ

                      
   パレスチナの香辛料にハーブミックスの「ザアタル」がある。向こうではオリーブオイルと一緒にパンにつけて食べるそうだ。で、わが家でもパンを食べるときには、必ずオリーブオイルとセットになって出てくる。

香辛料といっても七味のように辛いものではない。さわやかな香りが持ち味で、わが家ではパンだけでなく、ハンバーグにもザアタルを加える。

ザアタル入りハンバーグ=写真=は、ごはんはもちろん、晩酌のおかずにもなる。このところ、カツオの刺し身の次くらいにありがたいおかずだ。

カミサンがオリーブせっけんやオリーブオイルとともに、合同会社「パレスチナ・オリーブ」(皆川万葉代表)から取り寄せ、店の一角で販売している。

小瓶の説明書きによれば、ザアタルと呼ばれるハーブを乾燥させてすりつぶし、酸味のあるシューマック、ゴマ、塩、オリーブオイルをまぜ合わせたものだ。振りかけられるようになっている(シューマックはなんだろう、植物だとは思うが、さっぱりわからない)。

この香辛料は、パレスチナの北部(1949年からイスラエル領)の生産者団体「ガリラヤのシンディアナ」がつくっており、パレスチナ・オリーブがフェアトレードで輸入している。

先日、皆川さんからカミサンに電話が入った。注文したオリーブオイルやザアタルなどが「世界的なコンテナ不足で予定通り入荷しない、遅れる」ということだった。

 コロナ禍の影響がここにもあらわれたか。というのも、このところ半導体の品薄やもろもろの原材料の値上げがニュースになる。メーカーや農・漁業、サービス業はおろか、市民の暮らしの場にもそれが及んできた。

 一番大きいのは原油の高騰だろう。車のガソリンも、暖房用の灯油も値上がりが続く。レギュラーガソリンは間もなくリッター170円というところまできた。地方生活者は車がないと生活が維持できない。これはきつい。

 世界発のニュースがすぐ地域の暮らしを直撃する、という意味では、地域は末端ではなく時代の最先端だ。

 たとえば、豆腐と油揚げ。毎週水曜日、わが家へ移動販売の豆腐屋さんが来る。カミサンが留守をするときにはメモと代金が置いてある。それで頭に入った。「豆腐3丁・油揚げ2枚、530円」

 11月に入って2回目の水曜日、豆腐屋さんが来たので豆腐3丁と油揚げ2枚を注文した。いつもの料金を払おうとしたら、足りなかった。11月から570円になっていた。大豆の値上がりが響いて、今のままではもうけが出ない。で、小売価格を上げざるを得なくなったという(単純計算では豆腐10円、油揚げ5円の値上げか)。

 パレスチナの話に戻る。カミサンは、以前、シリアのオリーブせっけんを扱っていた。シリア内戦後も続けていたが、仕入れ量の関係でパレスチナの商品に切り替えた。

 きっかけは去年(2020年)秋、いわき駅前の「faro」で写真展「パレスチナのちいさないとなみ 働いている、生きている」を見たことだった。そのとき、パレスチナのオリーブせっけんとザアタルを買った。

ザアタルは万能香辛料。いろいろに使える。コロナ禍が早く収まり、コンテナ不足も早く解消されることを願うほかない。

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