10月10日にこの秋初めて、コハクチョウの飛来を確認した。三島(小川)で残留コハクチョウの「エレン」にえさをやっているSさんから、「8日に飛来した」という電話をもらった。夏井川渓谷の隠居へ向かう途中、エレンともう1羽がいるところを写真に撮った。
わが生活圏の中神谷(平)にもその後、姿を見せたが、定着するまでには至っていない。中神谷のすぐ上流、新川が夏井川に合流する塩(平)が越冬エリアなのだが、ここにはまだ現れない。と思っていたら、きのう(11月24日)午前11時過ぎ、幼鳥3羽を含む7羽が中州で昼寝をしていた。
すぐそばの左岸で重機が川砂をかき集め、ダンプカーがそれを運んでいる。「令和元年東日本台風」とは関係なく、前から土砂除去・運搬作業が行われている。きのうは重機が動いている様子はなかった。
塩を目指してやって来たコハクチョウは、動く重機を避けるようにして下流の中神谷に着水する。サケのやな場をはさんで上流の浅瀬に6羽、あるいは10羽、ときに30羽。
やな場の直下、字調練場では岸辺の立木伐採と河川敷の堆積土砂除去が行われていたが、先ごろ終了した。そこにもハクチョウが3羽、同時に羽を休めていたことがある。
ねぐらは平窪(平)の夏井川だろうか。えさをついばむために朝、そちらからやって来た一団が中神谷の夏井川経由で四倉その他の田んぼへ向かう。夕方は逆ルートでねぐらへ戻る。
朝は主に7時以降、夕方は主に4時以降、中神谷の上空を「コー、コー」と鳴きながら通過する。きのうは人間が朝食を終えた8時過ぎ、わが家の真上から鳴き声が降ってきた。
その時間帯に夏井川の堤防にいると、飛び立ったり舞い降りたりする姿を見ることができる。たまたま朝、街から戻る途中に堤防で撮った1枚がこれ=写真(2021年1月4日午前9時ごろ)。
集合しているところを撮るなら、平窪だろう。日中は右岸域の赤井(平)の田んぼでえさをついばんでいる。左岸域の平窪の田んぼにも姿を見せるが、今はまだ少ない。
三島も、橋の上流右岸の土砂除去工事が終わった。こちらは日曜日になると、家族連れがえさを持って岸辺に立つ。
ついでながら、最下流の塩~中神谷が越冬地になったのはひょんなことからだった。けがをして平窪に残留したコハクチョウが1羽、大水のときに流れ着く。対岸・山崎(平)の故Mさんが残留コハクにえさをやり続け、それが呼び水になって越冬するハクチョウが増えた。今は、ピーク時には200羽前後になる。これから少しずつ定着することだろう。
中神谷には字南鳥沼、字北鳥沼がある。三面舗装の三夜川をはさんで隣り合っている。地名からしてそこは大昔、水鳥たちの休み場だったに違いない。地形分類図によると、そばの旧道は家並みを含めて夏井川の旧河道だった。
ハクチョウたちに受け継がれた遺伝子が、かつての「鳥沼」という休み場を探り当て、やがて近くの夏井川を越冬の地に選んだ――そんなことを土地の「物語」としてつい妄想してしまう。
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