「はつらつと」「げんきに」「あかるく」「たのしく」「まじめに」の頭の文字を並べると、「は・げ・あ・た・ま」になる。
実は年末に夫婦でこんな会話をした。あくまでも話のはずみでそうなった。「ずいぶん皺が寄ったなぁ」「あんたもここまではげるとは思わなかったわ」。そういわれると言葉もない。
「ハゲとシワ」だ。しかし、ブログのタイトルには使いにくい。どうしたものかとためらっていたら、元日に「は・げ・あ・た・ま」と出合った。
実は、もう一つある。カミサンが家の片づけをしていると、上の孫が小学校の1,2年生のころに落書きした段ボール片が出てきた=写真。
レゴがどうのこうのといったもののほかに、「はげこんてすと」の書き込みがあった。ルールは二つ。意味の分かる「その1」は「ぴかぴかのはげのひとがかち」。 「八つ」「九つ」と「つ」の付く年齢のうちは、子どもは物言いが「無礼」なくらいに「率直」だ。
そのときだったかどうか、孫が「米屋ごっこ」をした。売っている米に「こしひかり」ならぬ「はげひかり」があった。当時のやりとりがブログに残っている。
――孫にとって祖父母は、一面では都合のいい存在だ。親には通用しないわがままが許される。まだ5~7歳の子であればなおさら。なにをしても怒られない。なにをいっても聞いてもらえる。
ふだん欲しいものは100円、200円のお菓子のたぐいだが、祖父母はそのくらいなら喜んで財布を開ける。他人には言ってはいけない卑語や悪口のたぐいも、祖父母はやんわり受け止める。
土曜日の午後のひととき、小1と年中組の“学童保育”を引き受けた。庭でムスカリを移植するために土を掘ったり、水をやったりしたあと、段ボールやすだれ、板切れ、コンクリートブロックなどを持ち出して「米屋兼おもちゃ屋」を始めた。
「米は何を売っているんですか」。しらばくれて上の子に聞くと、米屋の孫らしく「こしひかりです」。「はげひかりというのもありますか」。「ありません」という答えを期待したのだが、「はげひかりは高いです」。
からかいのエンジンにスイッチが入ったらしい。板切れに「はげひかり1万円」「こしひかり2000円」「ひとめぼれ1990円」と書いて並べる。調子に乗るんじゃなかったと悔みながらも、即興で孫が応じたことには感心した――。
今は中2と小6だ。ストレートに「はげあたま」などと口にすることはなくなった。先日、カミサンが昔の写真を見せたら、「髪の毛がある」と驚いていたそうだ。
成長すれば、頭髪が薄くなるメカニズムや遺伝も理解できるようになる。いつか頭のことはいわなくなった。
元日に知った「は・げ・あ・た・ま」は、やはり使いにくい。言い換えを考えていたが、せいぜい逆読みの「ま・た・あ・げ・は」、あるいは「た・ま・あ・げ・は」と、アゲハチョウに似せる程度しかできなかった。
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