夏井川渓谷の隠居へ行くのは2週間ぶりだった。1月最後の日曜日、30日。極寒期だが、この半月の間に春の息吹も感じられるようになった。
家を出て、いつもの田んぼ道を行くと、平・中平窪の民家の庭木にピンク色の点々がある。紅梅のつぼみのようだった。
さらに小川・片石田から段丘の高崎へ入ると、建設中の広域農道跨道(線)橋の手前、県道小野四倉線沿いの白梅が満開に近かった。
夏井川流域の幹線道路(国道399号~県道小野四倉線)沿いでは、高崎の白梅のほかに、平市街の幽霊橋(お城山の六間門と八幡小路を結ぶ天空の橋)そば、急斜面の白梅が真っ先に開花する。ただし、こちらの白梅は6年前に剪定されて以来、開花を確認していない。
この“定線観測”で一番寒いときに春が近づいていることを知る。とはいえ、「梅前線」はまだ夏井川渓谷の入り口止まり。渓谷の白梅が開花するまでにはしばらく時間がかかる。
隠居のある牛小川(小川)までは、雪はなかった。たまたま用があって、上流の川前まで足を運んだ。
牛小川の集落を過ぎて、JR磐越東線大滝踏切に近づくと、道端の空き地にうっすら雪が残っていた。
同踏切と次の山前踏切(川前)の間は、渓谷でも狭隘な区間だ。令和元年東日本台風では護岸がえぐられた。そのため、いまだに大型車両は通れない。去年(2021年)の夏、ようやく護岸工事が始まった。
山側は切り立った崖で、谷側はじかに夏井川と接している。対岸を磐越東線が走る。北向きの斜面だから日は当たらない。線路のバラストなどが雪で白くなっていた=写真。
川前の商店主の話では、同じ渓谷の川前と牛小川~江田では気温が1~2度違う。早朝、平地にある市場へ出かけるので、街へ下るにつれて気温が上がるのがわかるのだという。
逆をいえば、平から小川、さらに川前へと標高が上がるごとに気温が下がる、ということだ。
隠居では三春ネギのうね(表土は凍っている)をくだいて根を起こし、その下の土を掘って生ごみを埋めた。ネギにとっては一番厳しい時期だが、すでに次のいのちの準備を始めていた。
地上部の葉は先端が枯れ、外皮も黄土色になっている。外皮をはがすと、葉の根元に新しい葉が形成されていた。
葉? いや、ネギ坊主の子ども、花茎かもしれない。今までは冬になると土いじりを中断していたので、極寒期に葉の根元がどうなっているかわからなかったのだ。
「寒さの冬」が続く一方で「光の春」が近づいている。わが家の茶の間にはヒーターとストーブがある。この半月の間に、どちらか一つを消しておく時間が長くなった。おととい(1月30日)の朝には、羽虫が現れてパソコンに止まった。きょうから2月。4日には立春を迎える。
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