2022年4月12日火曜日

ただいま2羽

きのう(4月11日)の続き――。夏井川渓谷の小集落・牛小川で日曜日、最後の「春日様」のお祭りが開かれた。集落の裏山に鎮座する春日神社をお参りし、ヤドで直会(なおらい)が行われた。

直会では、アルコールとノンアルコールが用意され、刺し身とお膳をつつきながら、世間話に興じた。

キノコや野鳥、野草に詳しい人がいる。私のブログを読んでいる人がいる。隣組の懇親会同様、直会でもそのへんを切り口に盛り上がった。それで情報の精度が上がり、疑問が解けたり、あやふやな知識が確かなものになったりする。

渓谷に通称「百人小屋」というところがある。正式には小川町上小川字香後(こうご)。倒木や落石が絶えない難所だ。

大正6(1907)年10月10日、渓谷を縫う磐越東線が全通する。その建設のために作業員が寝泊まりしたところ、と聞いた覚えがあるようなないような。

平地から駆け上がり、ロックシェッドを過ぎると、護岸工事が中断したままの現場がある。ちょっと行くと、山側に何軒か家があり、県道に沿って畑が広がる。

その先、渓谷でもきつい急カーブが待っている手前、谷側で平成22(2010)年3月、道路沿いの杉林が伐採された。

渓谷ではどういうわけか、県道の谷側に杉林が点在する。雪が降ったあとはアイスバーンになりやすい。それを解消するためだろう、何カ所かで杉の木が伐採された。冬でも県道に日が差すようになった。

道路沿いの杉林が消えたおかげで現れた光景がある。百人小屋の伐採跡にポツンと桜の木がそびえている。春に木全体が白い花で覆われるのでわかった。

直会でその話になった。オオシマザクラではないかという。帰りにじっくり見た=写真上1。葉と同時に花が咲くヤマザクラの一種には違いないが、花の白さが勝っている。

この桜の木は別名「タキギザクラ」。古来、雑木林に植えられて燃料として多用されたという。百人小屋という通称地名と関係があるのかどうか。気になる木だ。

小川町三島地内に再残留したコハクチョウ「エレン」のことも話題に上った。「幼鳥が1羽そばにいた」という。私もこの日朝、三島の夏井川に2羽が残留しているのを確認した。

「エレンだけになってしまった」。小川町の「白鳥おばさん」ことSさんから電話があったのは4月3日。その3日後、再び電話がかかってきた。「エレンのそばに幼鳥が寄り添っている」

  いわき以南から北へ帰るコハクチョウが一時、仲間のいる川で羽を休めることはある。「そのうち飛んで行くかも。様子を見るほかない」といったが、4月10日にも残留している=写真上2。一時滞在にしては長すぎる。結局、残留してSさんが面倒を見るようになるのだろうか。 

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