2022年4月4日月曜日

アカヤシオ咲く

        
 夏井川渓谷のアカヤシオ(岩ツツジ)が咲き始めた=写真上1。きのう(4月3日)の日曜日、籠場の滝の対岸がピンクの花で彩られているのを確認した。そこから800メートルほど上流、隠居のある対岸もピンクの点々が肉眼でわかるようになった。

 去年(2021年)は春分の日に咲き出した。地元の住民によれば、3月下旬の開花は「とにかく早い」。

 いつもは4月の10日前後。ところが、このごろは4月の声を聞くと咲き出す。その意味では、去年よりは遅いが、平年よりは早い、といった感じだろうか。

 これも30年近く観察してわかったことだが、開花を確認して2日もたてば花の量は3倍になる。次から次に花が開いて、急斜面はピンクの点描画の一大キャンバスに変わる。その経験則からいえば、アカヤシオの花は今度の週末に見ごろを迎える。

 渓谷のアカヤシオと平地のソメイヨシノはほぼ同時に開花する。これも、渓谷の隠居へ通っているうちに学んだ経験則だ。

アカヤシオが咲いたからには街のソメイヨシノも――と思っていたら、きのう、いわき市総合観光案内所が平・松ケ岡公園でソメイヨシノの開花を確認した。ツイッターで発信していた。やっぱり。

ちょっと前まではテレビと新聞が開花情報を独占していた。今は市民が身近な場所にあるソメイヨシノやシダレザクラの開花を画像付きで教えてくれる。それで、ピンポイントながら広範囲な場所を花でつなぐことができる。

今年はしかし、ソメイヨシノの開花情報がはっきりしなかった。ほかの花、たとえばハクモクレンやコブシが咲き出したのに、ソメイヨシノの情報は少ない。メディアから東京の花見情報が届いても、肝心のいわきの情報が不足している。そんなもどかしさがあった。

去年の開花が早かったわけははっきりしている。新年を迎えると間もなく寒波が襲った。その寒波のあとは気温が高めに推移した。ソメイヨシノは早々と休眠を打破された。今年は休眠打破が遅れたのだろう。

ま、それはさておき、夏井川渓谷にも「春」がやってきた。きのう一番驚いたのは、大型車両の通行止め用に設けられていたフレコンバッグの関所がなくなっていたことだ=写真上2。

令和元年東日本台風で、いわき市は夏井川流域を中心に大きな被害を受けた。夏井川渓谷では、幹線道路(県道小野四倉線)の護岸崩落などが相次いだ。

なかに大型車両の通れない個所があった。それが2年半近くたって、やっと復旧したのだろう。アカヤシオよりはむしろ、こちらを喜ぶべきかもしれない。

ついでながら、街へ下りてきたあと、いつものように夏井川の堤防を利用して帰宅した。平・塩地内で河川敷から住宅地へと堤防を横切る鳥がいた。今年初めて見るツバメだった。春は「三春」どころではない、人によっては「五春」や「七春」になってやってきた。

0 件のコメント: