2022年4月29日金曜日

山菜尽くし

                      
    この時期は週初めに「春の土の味」が食卓に並ぶ――そうブログに書いたのが4月21日だった。

フキノトウはてんぷらのほかに、みじんにして味噌汁に。セリはてんぷらとおひたし、ヨモギはカミサンの友達がペースト状にしてホットケーキをつくった。いずれも夏井川渓谷にある隠居の庭で採れたものだ。

 サクラの花が散って木の芽が吹くと、いわきのあちらこちらで山菜が採れるようになる。すると、「お福分け」が相次ぐ。

 まず、タケノコ。日曜日(4月24日)に渓谷の隠居で土いじりをしていたら、地元のKさんがタケノコを持ってきた。姉の山から掘ってきたものだという。月曜日にはカミサンの知り合いからコゴミ(クサソテツ)をいっぱいもらった。どちらも初物だ。

 私は日曜日、隠居のシダレザクラの樹下から、わずか5個だがアミガサタケを採った。カミサンは若いフキを摘んだ。

翌日、糠床の風味用にわが家の庭にあるサンショウの新芽を摘んだ。2、3枚を台所に残した。

 月曜日の晩の食卓は山菜尽くしになった=写真。コゴミはゆでてマヨネーズ和えに、タケノコはわかめとベーコンの煮物に。煮物の上にはサンショウの木の芽が載っていた。

コゴミは癖がない。タケノコはえぐみがなくてやわらかい。木の芽の香りが鼻をくすぐった。

 フキは葉っぱをとってきゃらぶきに、アミガサタケはバター炒めになって出た。きゃらぶきは少々甘かった。アミガサタケは歯ごたえがある。フランスでは高級食材の「モリーユ」。やはり、バターでいためるのが基本らしい。

 キュウリとカブ、郡山ブランド野菜「御前(ごぜん)人参」の糠漬けも出した。こちらは私が担当した。

 糠漬けは再開したばかりだ。古い糠床に新しい糠を加え、キャベツの葉やカブの葉を入れて捨て漬けにした。そうすることで糠床が潤ってくる。さらに、市販の野菜を入れて漬かり具合と味をみる。

その意味では、糠漬けはまだ試作段階だ。ご飯のおかずにはいいかなと思ったが、カミサンは「味がまだあざとい」という。

今の時点で風味や香味が足りないのはしかたがない。まずは糠を足して、漬かった野菜の塩味を確かめる。それを繰り返して糠床全体の塩分を調整する。

 山菜尽くしの翌日、コゴミを届けてくれたカミサンの知人から電話が入った。「タケノコがある」

こうなると、別の知人からも連絡がくるのではないか。カミサンはせっかくのお福分けだから、断らない、ゆでて人に配る――と決めた。

もらう方も、皮つきだと下ごしらえに時間がかかる。ゆであがった「半食品」ならありあわせの食材で煮物をつくればいい。もらいやすいだろう。

 アッシー君になってタケノコをもらいに行く。数は6個。かなりの重さだ。帰宅すると、カミサンはすぐ玄関先で皮をむき、台所でゆでたあと、近所に配って歩いた。

0 件のコメント: