2022年4月2日土曜日

消化の良いもの

        
 きのう(4月1日)の続き――。大腸内視鏡検査の前日には「消化の良いもの」をとるように指示された。当日朝、下剤を飲む。消化が良いものだと、早く腸がきれいになる。

 事前に渡された「おすすめメニュー」=写真=はこんな具合だった。朝食=食パン(具なし)・ポタージュスープ(具なし)・バナナ・ヨーグルト(プルーン)。昼食=素うどん・卵焼き(具なし)。夕食=雑炊(卵・ささみ入り)・みそ汁(具なし)・焼き魚(皮なし)・豆腐(薬味なし)。

 このどれかを組み合わせて、朝・昼・夕の食事をとった。みそ汁は菜っ葉も海藻もない。汁をすするだけ。うどんからは薬味と具が消えた。確かに胃腸にはやさしいが、なんとも味気ない。

 それを2月(検査の前日)と3月(切除の前日)にやり、切除した日の食事と翌日以降の行動にも制限がかかった。

 切除当日はやはり消化の良いものを、翌日からはふだん通りでかまわないが、暴飲暴食は避ける、という指示が出た

ほかに、きのうも書いたが、アルコールは1週間飲まない、激しい運動や遠出を避ける、といった注意が加わった。

 入浴についても、長風呂と熱めの湯は避けるように、ということだったので、2~3日はシャワーですませた。

 土曜日の夜は、ときどきカミサンがBSテレ東で「男はつらいよ」を見る。2月のいつだったか、「寅次郎純情詩集」に京マチ子がマドンナ役で出た。寅次郎が知ったかぶりをして、「最後の晩餐」を「最後の晩酌」とやったときには大笑いした。

 が、現実にアルコールを断ってみると、「最後の晩酌」が妙に心にしみた。さいわい、半月で晩酌が復活したから、今のところは虎になるのを抑えて、猫の気持ちでアルコールと向き合っている。

 それよりなにより、ふだんは「消化の良いもの」より、「複雑な味のハーモニー」を求めていることがよくわかった。

 甘味・酸味・鹹味(かんみ)・辛味・苦味の、いわゆる五味だけではない。視覚・嗅覚・触覚・聴覚なども含めて、脳が食べ物のうまさを感知する。

 たとえば日曜日の晩、食卓にのぼるカツオの刺し身。私は、にんにくとわさび醤油につけて食べるが、これはアルコールと一緒だからこその組み合わせでもある。

 ポリープ切除後、カレーやキムチなどの刺激物は避けるようにといわれ、2回ほどにんにくわさび醤油も控えた。

 ただただ昼の海鮮丼みたいに、カツ刺しを醤油につけてご飯にのせたのをかっこむ。それはそれでうまかったが、やはりカツ刺しはアルコールをやりながら、にんにくわさび醤油につけて舌にのせる、というのが一番だ。今度の日曜日、つまりあしたの晩はやっとこれができる。

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