2022年4月25日月曜日

つなぎの漬物

                      
  この冬は11月中旬から2月下旬までに3回、白菜を漬けた。それがなくなったら終わりと決めて、4月下旬に糠漬けを再開するまで、スーパーや直売所の漬物で間に合わせた。

 今回はこうしよう、ああしようと考えすぎて、二度、白菜漬けに失敗した。おさらいの意味で3回の状況を記す。

1回目は容器の表面に産膜酵母が張るのを遅らせようと塩分を多めにした。しんなんりしたのを口にするとしょっぱかった。容器から取り出しては水につけて塩出しをした。

2回目は塩分を元の量に戻した。極寒期と重なったこともあって、産膜酵母は張らなかった。まずまずの出来だった。

3回目は1回目と逆に、どのくらい減塩できるか試した。適量の塩分だと、漬けて2日もすれば、浸透圧で白菜からしみ出た水が上がってくるのだが……

3日がたち、4日がたっても水は上がらない。容器の底の方が少し湿りを帯びているだけ。つまりは塩分が少なすぎた。

思案していたときに、知人から白菜漬けのレシピが届いた。なかに、「差し水は3%塩水500ccをタルのフチから注ぐ」というのがあった。これを応用した。

3%に見合う食塩を加えて溶かし、白菜がひたひたになるまで足した。一種の「どぶ漬け」だ。

これはこれで食べられる。サラダ感覚の新しい白菜漬けになった。食べ方の幅が広がった――とはいっても、何度もためそうという気にはならないが。

白菜漬けのような家庭の伝統食はすでに作り方が確立している。よけいな試みはしない。「下手の考え休むに似たり」で、あれこれ頭で考えないで体が覚えていることに従うのが一番。そんな反省もあって、4回目はなし、にした。

となると、つなぎの漬物が必要だ。スーパーや直売所から白菜キムチやみそ漬けを買ってきた。

が、これらは小パックなので、予備を買い忘れると食卓から漬物が消える。追いつめられたような気分になったとき、キュウリの古漬けが冷蔵庫にあるのを思い出した。

さっそく取り出して、5センチほどに切って塩抜きをする=写真。パリパリして、歯ごたえがいい。これで、漬物がある安心感が戻った。

この古漬けが残っているうちに、糠漬けを再開しなくては――。4月下旬、糠床の冬眠を覚ました。お玉で食塩の布団をはぎ、その下にある古い糠味噌を一部取り除いて、新しい糠を投入した。

古い糠味噌には食塩が浸みているので、新しい糠をこね混ぜると少しはしょっぱさがやわらぐ。そこに、冷蔵庫に置き忘れて水分が飛んだキャベツ、大根を「捨て漬け」にする。

今は朝、起きるとすぐ糠床をかきまわす。残ったスープやタレがあれば、糠床をほぐすのに加える。同時に、唐辛子やサンショウの木の芽も入れる。これを繰り返すうちに、今年(2022年)の糠漬けの味が決まってくる。

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