2022年4月18日月曜日

春を告げるアミガサタケ

           
 4月第3週は、前半が「夏日」になったと思ったら、後半に寒の戻りがきた。それでもきのうの日曜日(4月17日)は朝から青空が広がって、春らしい一日になった。

 夏井川渓谷を縫う県道小野四倉線は、たった1週間で冬枯れの水墨画から淡い緑色のパステル画に変わっていた。

 先の日曜日には針葉樹の緑とアカヤシオ(岩ツツジ)のピンク色だけだった隠居の対岸も、ヤマザクラの花と木の芽が加わって春と初夏が混じり合ったようなにぎやかさだ。

 隠居の庭のシダレザクラも「夏日」に刺激されたらしい。つぼみから一気に開花し、満開になっていた=写真上1。

先のブログ(4月13日付)でも触れたが、隠居に着くとすぐシダレザクラの樹下に入って地面に目を凝らす。「花よりアミガサタケ」だ。

去年(2021年)は同じころ、樹下から20個ほどを採った。今年はしかし、発生が遅い。10日に続いて17日も「なしか」と思ったら、直径約1センチ、ヒノキの球果と勘違いするくらいの幼菌が頭を出していた。

 これは写真を撮るだけにして、なおも地面を見続ける。ない。あきらめかけたとき、去年、噴水のような枝先の一番外側から少し離れた菜園のそばに出ていたのを思い出す。念のためにそちらを見ると、あった。1個、そして少し離れて2個=写真上2。

 アミガサタケ探しはそれでいったん中止し、ネギの苗床の周りで草むしりをしていると、そばの県道から声がかかった。アカヤシオの花見客だった。

 みごとなシダレザクラだとほめる。しかも、2本。「ハンモックをかけるためにそうしたんですが、ちょっと離れていますね」

 なおもシダレザクラの美しさをほめ続ける。「観覧料をとってもいいくらいだ」。うれしくなって、ついさっきまでしていたことを教えたくなる。

と、もう一人の自分がささやく。アミガサタケのことはブログに書いても、直接、その場で人に話すものではない。口から出かかった言葉を抑えるのに苦労した。

そのあとまた土いじりをしながら、日曜日の夜は、カツオの刺し身がメーンになる、アミガサタケは次の日に。で、とりあえずゆでこぼす――そんなことを考えていたら、午後1時前に、ダイヤにはない列車が通過した。

ディーゼル機関車がSL時代の茶色い客車3両をけん引している。ネットで調べると、団体臨時列車「旧型客車 陽春磐越東西線号」で、いわき発郡山経由喜多方行きだった。

隠居の隣は広場になっている。今週は先週より車が多い。「花見客がどんどん来る」。列車が通過するまではそう思って喜んでいた。

広場の近くからトンネルが見える。ゆるいカーブになっている。いい角度で臨時列車が撮れる。

列車が過ぎると、それを追いかけるように広場から車が消えた。「花より臨時列車」の撮り鉄だった。

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