10月中旬からは、小川町・三島地内と平・塩~中神谷地内の夏井川をじっくり見るようにしている。どちらもハクチョウの越冬地だ。
三島地内では三島橋直下右岸で、塩~中神谷地内でも右岸で堆積土砂の撤去と強じん化工事が進められている=写真上(塩の対岸・北白土)。それで岸辺のヤナギの大木などが姿を消した。
ハクチョウたちにとっては、たった半年で飛来地周辺の風景が激変したことになる。特に、ハクチョウが密集する塩の新川合流点から上流では工事に拍車がかかり、重機やダンプカーがひっきりなしに動き回っている。
平赤井に住む知り合いが10月17日、自宅前に広がる田んぼの上空を飛ぶハクチョウの写真をフェイスブックにアップした。
今年(2022年)はいきなり来たか――そんな思いになった。というのは、いわきへ来るまでには段階があるからだ。
福島市の阿武隈川か、会津の猪苗代湖に飛来する。それがニュースになる。例年だと、いわきに第一陣が現れるのは、ニュースから1週間ほどたってからだ。
そのニュースを聞かないうちに現れたのだ。とはいえ、こちらがニュースを見逃したのかもしれない。念のために検索すると、10月9日、第一陣が猪苗代湖に来ていた。それから8日後だ。
まずは一番古い越冬地、平・平窪の夏井川に着水する。赤井地区は平窪の右岸にある。いわき=平窪への飛来は、毎年、知り合いのフェイスブックで知る。
平窪に来たら、すぐ下流の塩に現れてもいいのだが、いや飛来したかもしれないのだが、右岸の至る所で重機が動いている。ハクチョウの身になれば羽を休めるどころではない。
きのう(10月21日)朝、カミサンをかかりつけの医院へ送った帰り、夏井川の堤防に出た。平窪に来たなら塩にいてもいいはずなのに、岸辺にはハクチョウの姿はなかった。
代わりに、2羽のハクチョウが神谷の上空を西北へ向かって飛んでいるのが見えた。平窪から塩を経由せずに、ストレートに四倉方面の刈田へ向かったのだろう。
去年、翼をけがして残留したコハクチョウの「エレン」は、今は行方が知れない。えづけをしてきた小川町のSさんによると、5月27日の大水でざっと2.5キロ下流のナシ選果場付近まで流された。
一度、下小川の夏井川までエレンに会いに行ったが、その後は消息が絶えた。野犬かなにかに襲われたのではないか、とSさんはいう。
それともう1羽。左の翼をけがして残留したコハクチョウが、たまたま下小川にいた。Sさんはこちらのハクチョウにも2日に1回、玄米をえさとしてやっている、ということだった。
浅瀬でえさをやりながら、「白鳥の湖」をくちずさんでやると、目を細めるようにして聞いている。たびたび対面していれば、ちょっとしたしぐさや表情の変化がわかるようになるのだろう。
そのハクチョウはまだ見たことがない。が、あした(10月23日)は夏井川渓谷の隠居へ行く。途中、三島でハクチョウの有無を確かめる。
2 件のコメント:
エレンと思われる白鳥は赤井の方に来ています。
そうですか、よかったです。
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