2022年10月31日月曜日

ネギが無事に発芽

                      
 10月9日の日曜日に三春ネギの種をまいた。夏井川渓谷の隠居の庭にささやかな菜園がある。その一角に苗床をつくった。

 1週間後の日曜日(10月16日)には、早くも芽が出かかっていた。それからさらに1週間、10月23日の日曜日には緑の筋ができていた=写真上1。

 私は、ネギの芽が地上に出かかった瞬間がたまらなく好きだ。何度もそのときの様子をブログに書いている。ある年はこんな具合だった。

――ネギの発芽はおもしろい。地中3~5ミリほどのところで種が眠っている。まいて1週間もすると、種のすぐ上の土が筋状に割れてくる。

その割れ目から淡い色の点(発芽しつつあるネギ苗)がのぞくようになる。黒い殻を破った緑色の芽(根と茎の部分がある)はいったん上向きに伸び、やがて根の部分が屈曲して下へ、下へと向かっていく。

茎は屈曲した状態で上へ伸び、ヘアピン状のまま地上に現れる。それに似たかたちを探せば、電気抵抗の単位を表す「Ω」(オーム)、あるいは逆「U」の字。

その次の段階になると、土のふとんをかぶった黒い種がまた、茎に引っ張られて地表に出てくる。初期の芽ネギは頭に黒い殻をのせているために、数字の「7」、あるいは記号の「?」のように見える。

さらに次の段階に入ると、黒い殻は脱落し、茎も根も一直線になる。ネギ栽培をしていてなにが楽しいかというと、この発芽からピンと立つまでの一連の変化だ――。

ネギは「自産自消」を基本にしている。そのサイクルはこうだ。晩秋から師走にかけてネギを収穫する。

何本かは採種用に残しておく。越冬したネギは春に薹(とう)立ちをする。やがて先端にネギ坊主ができる。

6月にそれを摘み、ごみや中身のない種を“水選”して乾燥させ、小瓶に入れて冷蔵庫で保管する。秋には苗床をつくり、10月10日前後の日曜日に種をまく。

今年の種はちゃんと生きている、という自信はあったが、普通の種より小粒のものも多かったので、どこまで発芽するか心配だった。その意味では、歩留まりは今年はかなりいい。

実は、今年は思ったよりも多く種が採れた。畳1枚分の苗床に6列の筋をつくってまいても、かなり余った。急きょ、そばに半円状の苗床をつくり、こちらは「筋まき」ではなく、「ばらまき」にした。これもちゃんと発芽した。

半円状の苗床は、定植用というよりは葉ネギ用だ。葉ネギは春~夏のみそ汁や納豆、卵焼きに使える。いわば、間引きネギの感覚で秋の収穫時期までつなぐ。そうすれば、夏場はあまりネギを買わなくてすむ。

種だけではない。今年のネギは根切り虫の被害が少なくてすんだ。梅雨もあっという間に過ぎた。おおむね順調に育っている。

きのう(10月30日)、初めて収穫した=写真上2。もっと早めにうねを高くすれば、さらに白根の部分が長くなったかもしれない。初物なので、まずはジャガイモとねぎの味噌汁にしてもらう。

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