日曜日(10月23日)の昼は川内村をグルグル巡った。友人の娘さんが下川内の自宅敷地内で始めた古民家カフェ「秋風舎」で食事をとったあと、上川内へ移動し、「あれ・これ市場」で味噌漬けその他を買った。
そのあと、天山文庫のある「かわうち草野心平記念館」に寄った。ふだんそこで管理人をしている娘さんに代わって、友人が臨時に受付をしていた。
彼女に会うのは、同じく友人でもある夫君が亡くなって9カ月後、いわきのアリオスで彼のメモリアルコンサートが開かれたとき以来だ。
彼は心平の弟の天平に引かれ、令和2(2020)年2月21日~3月8日、いわき市小川町の心平生家で「書画でめぐる草野天平の詩」展を開いた。
その準備をしていた2月初旬に体調を崩し、同26日、71歳で亡くなった。危篤の夫に代わって、妻である友人が作品を搬入した。
彼はことのほか邦楽を好んだ。自宅敷地内にある古民家でよく邦楽コンサートを開いた。メモリアルコンサートでは、なじみの琵琶、尺八奏者などが出演した。
そんなことを思い出しながら記念館を訪ねると、息を切らしながら坂道を上ってきた私ら夫婦が目に留まったのだろう。外に出て来て迎えてくれた。
近況を伝えあったあと、観客が訪れたのを機に、また下川内を目指す。十文字トンネルをくぐっていわきへ帰るためだ。
今回の川内行は、古民家カフェを訪ねること、そして、国道399号十文字トンネルを通ることが目的だった。
地図の上では、川内村といわき市は国道399号が最短コースだ。が、実際にはいわき側と川内側に山が連なる。
特に、いわき側の峠・十文字は標高が730メートルほどある。ふもとの内倉湿原の東側(標高400メートルほど)から狭い急カーブが連続し、峠を下るにも急こう配と急カーブが続く。
すり鉢の底にあるのが中戸渡(とわだ)地区、旧戸渡分校があるあたりで標高は490メートルほどだ。最大高低差300メートル余の峠越えがきつくて、ここ20年以上はまったくこの道を利用していない。
いや、記録(ブログ)を見たら、平成30(2018)年5月の連休時、田村市の実家へ行く途中、分校前の道端にあるシラカバを見に出かけている。正確には4年ぶりだった。
平成23(2011)年度にこの難所を解消するためのバイパス工事が始まる。399号の向かい側、内倉湿原の西側に二つの橋を架け、延長2875メートルのトンネルを掘って内倉と戸渡を直結する、というもので、11年の歳月をかけて、つい先日(9月27日)、開通した。
トンネルは、ひとことでいえば長い。いや、ひとことではすまない。とにかく長い。これほど長いトンネルをくぐるのは初めてだ。
三角形の底辺と同じで、峠のふもとの戸渡と内倉をほぼ一直線でつなぐわけだから、川内~いわき間は時間も距離もだいぶ短縮された。今では通勤圏内になったといってもいい。
友人の娘さんも毎週、このバイパスを利用して平まで買い出しに来る。いわき方面から川内へ入るライダーも増えたという。これも「トンネル効果」だろう。
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