木曜日(10月6日)は、とにかく寒さがこたえた。火曜日までは半そでだったのが、長そでに着替えても背中が冷える。
作家の故池波正太郎さんが『男の作法』のなかで言っていた。「冬なんかに、ちょっときょうは寒い、風邪を引きそうだなあと思ったときは、入浴をしても背中は洗わないほうがいいよ。(略)背中の脂っ気がなくなってカサカサになっちゃうと、そこから風邪が侵入してくるわけ」
池波さんの教えに従って、背中から風邪を引かないよう、長そでの上に夏用のカーディガンを羽織ったが、それでも寒さが収まらない。カーディガンの下に毛糸のチョッキを着て、やっと背中のひんやり感が消えた。
背中はそれでいいとして、座卓に向き合っていると、足が冷えてかなわない。まずは厚手の靴下を履く。それでも寒さが残る。
カーペットの下に電気マットを敷いたままにしてある。まずはこれに電気を通す。これでやっと足元の冷えが解消された。
しかし、午後になっても室温は上がらない。むしろ温度が下がった感じさえする。部屋は夏バージョンのままだ。隣室との境の戸を閉め、上がり框(かまち)の素通しの戸に障子をはめて、石油ストーブをたくと、やっと暖かくなった=写真上1。
朝は義弟を病院へ送り届けた。小雨が降っていた。これでは気温が上がらないわけだ。車の中もひんやりしている。暖房をかけた。
こう寒いと「けんちん汁」(豚汁)が恋しくなる。カミサンも思いは同じだったようだ。午後になると、「きょうはけんちんにする」。
少し遅れて、後輩が落花生の「おおまさり」を持ってきた。やはり、寒くて、この日初めてストーブをたいたという。
落花生をゆでて食べるのを知ったのは平成29(2017)年9月中旬。平・本町通りで「三町目ジャンボリー」が開かれた。好間の生木葉ファームも出店し、今は彼岸に渡った主人に勧められて生の落花生を買った。3%の塩水でゆでるといい、といわれた。
さっそく、晩酌のつまみに塩ゆで落花生が出てきた。殻付きでも、殻なしでも硬い落花生しか知らない人間には、枝豆のようなやわらかさが衝撃だった。ほくほくして、ほのかな塩味が効いていた。
殻付きの落花生は、子どものころの正月の記憶と結びついている。兄弟がこたつを囲んでミカンを食べた。スルメと落花生もあった。庶民の味だったらしい。殻なしを「ピーナッツ」と呼ぶようになったのは、ずっとあとではなかったか。
最近は後輩から殻付きのお福分けが届く。木曜日はけんちん汁とゆでた落花生が晩酌のおかずになって出た=写真上2。どちらもお代わりした。
ゆでると殻の中に水がたまることがある。それを防ぐには蒸すといい、と知り合いからいわれたことがある。今度は蒸してみようか。
金曜日も前日同様、肌寒かった。晩酌のおかずには残りのけんちん汁と落花生が出た。これは2日くらい続いても飽きない。
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