2022年10月6日木曜日

山里のドライブ・上

                      
 いわき市平のわが家から夏井川渓谷の隠居を経由して小野町へ。そこから山里を縫う県道を利用して郡山市立美術館へ出かけた。

 帰路は三春町に寄り、田村市船引町で国道349号に入った。あとはJR磐越東線沿いに南下し、途中、また同349号に移って、いわき市三和町で国道49号に出た。

 小野町から郡山市に通じる県道65号(小野郡山線)は、美術館からの帰りに利用したことがあるかもしれないが、往路は初めてだ。

 阿武隈高地の西側はなだらかな「隆起準平原」で、緩やかなアップダウンが続く。それはいいのだが、やたらにくねくねしている。

 実は、郡山へ行くついでに阿武隈高地の「ナラ枯れ」がどうなっているか、チェックするつもりでいた。そんな余裕はなかった。急に対向車両が現れるので、前方を注視するのに精いっぱいだった。

 分水嶺の向こうのナラ枯れは確認する余裕がなかったが、行きと帰りにびっくりしたことがある。

 侵略的外来植物のアレチウリが所々で繁茂していた。いわき市川前町では、磐東線と並行して走る県道小野四倉線のガードレールがそれに覆われていた=写真上1。

アレチウリは北米原産の1年生のつる性植物。日本では昭和27(1952)年、静岡で発見されたのが最初という。平成18(2006)年、特定外来生物に指定された。特に河川敷で分布を広げている。

いわきの夏井川でアレチウリに気づいたのは平成20(2008)年秋だった。以来、この15年近く、秋になって遠出するとアレチウリの有無をチェックする。

夏井川流域では渓谷、川前、小野町……。至るところに繁茂している。上流も下流もない。草刈りが行われる土手はさすがに目立たない。

 日本にもクズやヤブガラシといったつる性植物はある。アレチウリはそれさえも覆ってしまう。覆われた植物は日光を遮断され、やがて枯れる。

 アレチウリ駆除は、ほかの植物を保護する意味からも抜き取りが効果的という。しかし、定期的に草刈りが行われているところでは、一緒に刈ればいい。草刈りは、農・山村の景観を守るための基本作業だ。侵略的な植物を防ぐ効果もある。これを続けていれば、ひとまず拡大は抑えられる。

 アレチウリ以上に驚いたのが、美術館を出て三春へ向かうため、「美術館通り」と交差する県道に近づいたときだ。左手の家の裏山(竹林)がすべて“金髪”になっていた=写真上2。

夏井川渓谷では今年(2022年)、丈の低いササが一斉に枯れた。ササは地下茎でつながっている。一斉枯死の前に花が咲く。枯れて初めて、何十年あるいは100年ぶりの開花に気づく、というケースが多いようだ。ミヤコザサは丈が1メートル以下、スズダケは2メートル前後ある。枯れたのはスズダケらしい。

 グーグルマップで確かめると、郡山のは家の裏の竹林が広く円状に枯れているのがわかる。自然現象には違いないが、ここまでササ枯れが広がると、やはり不気味な思いがする。

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