日曜日(10月2日)に郡山市立美術館で「ソール・ライター展」を見た。開館して間もない時間に着いたので、常設展も含めて午前10時半には見終わった。館内のカフェで一休みしようとしたら、閉まっている。店が開くのは午前11時だった。
しかたがない、隣の三春町まで足を延ばし、そこで昼食をとることにした。三春町は国道288号沿いにある。美術館からは北東方向へ丘陵地帯を進めばいい。
私は田村市で生まれ育った。双葉郡双葉町と郡山市を結ぶこの幹線道路(通称「都路街道」)にはなじみがある。三春町と田村市なら、沿道に何があるかはだいたい頭に入っている。
288号のバイパスを横切り、町はずれから右折すると、すぐ三春町の中心部だ。まずは「なかまち蔵」の“三ノ蔵”(カフェ「遊楽」)で手打ちそばを食べた。ジャズが流れていた。
そのあと、“一ノ蔵”(観光案内所)をのぞくと、曲がりネギが一束あった。10月に入ったばかりだが、もう曲がりネギが売られている。
「阿久津の?」と聞けば、店番の女性が「いえ、地元のです」。三春町の生産者が持ち込んだのだろう。普通のキュウリよりは5センチほど長いキュウリがあった。それも買った。
郡山の阿久津曲がりネギがいわきで買えるのは師走に入ってから。郡山に本社のあるヨークベニマルの野菜売り場に並ぶ。
それに比べたら、「三春曲がりネギ」は細い。私が夏井川渓谷の隠居で栽培している三春ネギと同じ太さだ。
私は、栽培の仕方がまずくて細いネギしかできないのだと思っていたが、三春の曲がりネギを見て安心した。
震災前の平成22(2010)年秋、やはり郡山市立美術館へ行った帰り、北隣の阿久津町を巡った。丘陵に集落があり、ところどころにネギ畑が広がる。
犬を連れて農道を散歩していたおばさんに聞くと、阿久津では曲がりネギも、まっすぐのネギもつくっている、という。
「美術館通りの直売所で曲がりネギを売ってるかもしれない」。美術館通りに戻って直売所を探すとすぐ見つかった。11月前だというのに、曲がりネギが5束ほどあった。1束150円。3束を買った。
そのあと、三春ダムの近く、三春の里田園生活館そばのおおはたやで三角油揚げを買った。三春では、この油揚げに切れ込みを入れてネギなどを差し込み、焙烙(ほうろく)で焼いて、みそをつけて食べるのが好まれている、ということだった。
三春に来たら三角油揚げを――。カミサンが決めていたので、「なかまち蔵」向かいのヨークベニマル三春店をのぞいた。やはり、あった、おみやげ分も含めて何袋か買った。
三角油揚げは豆腐を切ってつくる。最初は低温で、あとから高温で揚げると、外側はカリッ、中身はふわっとした油揚げができる。
この油揚げの中に刻んだ曲がりネギを入れて焼いたものが晩酌のおかずになって出た=写真。細いキュウリは糠漬けにした。ネギも、キュウリもやわらかい。久しぶりに三春の味を楽しんだ。
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