2023年2月2日木曜日

庭にメジロが

                      
   いわき地方では、北から仁井田川、夏井川、鮫川の下流域がネギの産地として知られる。ネギはいわきを代表する農産物のひとつでもある。 

昭和26(1951)年に平市役所神谷支所が発行した神谷市郎著『神谷郷土史』には、ネギ・ニンジンが神谷の特産物とある。ネギは大正末期から広く栽培されるようになった。

いわき市の中心市街地・平と東方の旧神谷村は夏井川をはさんで隣接する。平の近郊農村、そしてベッドタウンだ。

上流から運ばれて来た砂が堆積し、水はけがよいので、砂漠生まれのネギの栽培には適している。

夏井川沿いのネギ畑がそんな土地柄を今に伝える。街からわが家へと堤防を利用しながら、ネギ畑をウオッチングする。それによれば、6月下旬~7月上旬にネギ苗を定植し、12月下旬~2月上旬に収穫する。

必ずチェックする畑がある。堤防を通って気づいた日でいうと、この冬は12月20日過ぎに収穫が始まり、1月20日あたりで収穫が終わった。

夏井川渓谷の隠居の庭に畑をつくり、三春ネギを栽培している。そばに辛み大根がある。こちらは不耕起のまま、こぼれ種から発芽したのを育てている。追肥以外はほとんど手をかけない。

三春ネギは(辛み大根もだが)、種採り用を除いて収穫を終えた。平地のネギ畑と栽培~収穫の流れは変わらない。

若いころは「少量多品種」に挑み、白菜や大根などを栽培した。冬には「葉っぱのダンス」に自然の不思議を感じた。

菜園に霜が降りると、ふだんは宙に浮いている大根の葉が地面にひれ伏す。畑に日が差し込むと、霜が解けて大根の葉がピクン、ピクンと立ち上がる。うねのあちこちでピクン、ピクンが続く。この葉っぱのダンスを見るのが冬の楽しみだった。

白菜は、結球を始めたところで鉢巻きをする。たまたま鉢巻をしなかった白菜が1月後半に入ると、先端からヒヨドリに食いちぎられて大きな穴ができる。

平地の大根畑や白菜畑でも、葉っぱのダンスやヒヨドリとの攻防戦が繰り広げられていることだろう。ヒヨドリにとどまらない。野鳥たちにとっては、今が一番厳しい時期なのかもしれない。

カミサンが庭に野鳥のえさ台(壊れたパイプイスを利用)を設けた。ときどき、残飯を置く。1月30日の昼前、スズメたちが数羽、現れた。スズメとちょっと距離を置いて、近くのナンテンの枝に止まってチョコマカと動いている小鳥がいた。メジロだった=写真(撮影は2020年12月17日)。

メジロは、基本的には雑食だというが、花から蜜を吸うイメージが強い。冬に咲くヤブツバキはない。ナンテンの実は、たぶんあらかたヒヨドリにやられた。赤い実はと見れば、3粒しか残っていなかった。メジロもこれでは空振りだっただろう。

間もなく立春。「寒さの冬」のなかでも「光の春」を感じられるようになった。群馬県の下仁田では真冬、「麦踏み」ならぬ「ネギ踏み」をする。

隠居の庭のネギ苗もおととし(2021年)初めて、霜柱で根が浮かないようにネギ踏みをした。今年も近くネギ踏みをする。

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