2023年2月3日金曜日

追加賠償

                      
 福島県から送金通知書が届いた。封を切ると、自動車税の「過誤納金還付(充当)通知書」とあった=写真。

 暮れに車を買い替えた。すでに納めた自動車税のうち、抹消登録後の過納分を返す、というものだった。1万円未満とはいえ、カネが戻ってくるのはいいことだ。

 その前の日、銀行からカネを下ろしてきたカミサンが、笑うしかないといった表情で通帳の残高を見せた。

 年金が振り込まれるまで、まだ半月もあるというのに、預金の残高が退職後、最低を記録した。

 1月は年が明けて最初の月だから、出費が多くなる。それだけではない。ロシアのウクライナ侵略に端を発した世界的な経済変動を受けて、日本はこのところずっと記録的な円安、物価高に見舞われている。それが庶民の生活を直撃した。

 入るカネは決まっているのに、出るカネがふくらんだ。そのうえ、この冬はたびたび灯油を買いに行く。銀行へ生活費を下ろしに行く回数が増えて、残高が急降下した。

 わが家の店と茶の間だけでなく、隣家の義弟の部屋のほかにもう1カ所、暖房を必要とする家がある。

18リットル入りで3缶、4缶、多いときには5缶と、短期間に何度もガソリンスタンドへ通った。新しい車はまだ遠出を控えているので、給油は月1回(前はだいたい20日に1回)ですんでいる。スタンドへは灯油を買いに行くようなものだ。

「どっからかカネを持ってきてよ」と言われても、知恵は浮かばない。定期預金がある。別の銀行にも少しはある。が、それを取り崩すことははばかられる。

そんなことを思いめぐらしているところへ、原発事故の「追加賠償5000億円規模に」というニュースが飛び込んできた。

最初は相双地区の避難者のことだろうと思っていたが、フェイスブックに、知人が10年前、賠償金を使って旅行した話をアップしていた。

さらに、いわき市長がコメントを寄せ、いわき市民も対象になることを知った。そこで初めて、じっくり新聞記事を読んだ。

「県北や県中地方といわき、相馬の両市、新地町の23市町村が対象の自主避難等対象区域の住民(子ども・妊婦を除く)の賠償額は20万円だが、既に12万円の支払いを受けた人は今回、差し引き8万円が支払われる」

カミサンに言って、古い通帳を出してもらう。平成25(2013)年2月20日付で東電から12万円が振り込まれていた。

ブログで触れていないか、チェックしたが、なかった。この時期、体調は最悪だった。冬から梅雨時まで、半年ほどはブログを飛び飛びにしか書けなかった。賠償金に関する文章がないのはそのためだったか。

文科省の原子力損害賠償紛争審査会は、避難者らの集団訴訟判決で指針を上回る賠償命令が相次いだため、暮れに指針を改定した。それに基づく追加賠償だという。

波状的に値上げラッシュが続いている。ガス代も、電気代も上がる。そんな状況下だけに、このニュースにはなんとも複雑な思いでいる。

0 件のコメント: