どうもタイミングが悪い。日曜日になると小雨が降る。4月30日は、それで夏井川渓谷の隠居へ出かけるのをよした。
1週間後の5月7日も、朝起きると雨含みの曇天で車が濡れていた。予報では「弱雨」か「小雨」の一日だ。それが翌8日の昼まで続くという。
半月も渓谷へ行かないと落ち着かない。カミサンは種苗店で花の苗を買った。早く移植したいようだ。で、きのうの日曜日、雨模様の中を早めに出かけた。
前線が本州の太平洋側に南下した影響で、上空には冷たい空気が入り込んできた。前日までの夏から一転して、冬に逆戻りしたような寒さだ。
いわき市南部の山田町では、5月4~6日の最高気温が25.4度、26.5度、29.3度と、3日連続で「夏日」を記録した。ところが、7日は正午現在で17.9度だった。
半そでシャツを着るしかないか――前日までそんなことを考えていたのが、長そでシャツだけではしのげないほどの「青葉寒(あおばざむ)」になった。
朝、隠居へ出かけるとき、長そでと毛糸のチョッキのうえにジャンパーを羽織った。チョッキは脱ごうかと思ったが、カミサンが「そのままの方がいい」という。
確かに、外気温は低い。車の中もひんやりしていた。暖房をかけても、重ね着が気にならなかった。
2週間ぶりの渓谷は、いちだんと青葉の量が増していた。雨に濡れていたせいもあるのだろう、道の両側から緑がのしかかってくるような印象を受けた。
隠居に着くと、上と下の庭の草がきれいに刈られていた=写真。「こどもの日」に後輩が海寄りの家からやって来て、草刈り機を走らせた。
もう何度も頼んでいる。「注意するところは?」「(上の庭の)辛み大根の花とネギ苗」。これだけで通じる。梅雨どきのような、暴力的な緑の繁殖ではなくても、やはり刈り払われるとせいせいする。
1時間ほど土いじりをして隠居にこもっていると、カミサンが駆け込んできた。「雨が本降りになってきた」。それを合図に道具などを片づけて街へ戻った。
結局、街で買い物をし、弁当も買ってわが家で昼食をすませた。電気マットをオンにしないと寒い。たった一日で「夏日」が「冬日」に切り替わる。これが春の大型連休最後の日だ、なんて……。
夕方はいつもの魚屋さんへカツオの刺し身を買いに行った。晴れれば「目には青葉山ほととぎす初鰹」(山口素堂)のさわやかな情景が染みるのだが、とにかく寒い。
「きょうはお湯割りだな」。そんなことを思いながら、今年(2023年)のカツ刺しの回数を数えてみた。1回目は2月23日だった。季語としての「初鰹」までにもう10回以上食べている。
魚屋さんからの帰り、カミサンがコンビニでおでんを買った。何日かぶりで茶の間の石油ストーブも点火した。とにかく家の中にいても、体温を下げない工夫が要る――そんな青葉寒の一日だった。
0 件のコメント:
コメントを投稿