大型連休が始まっても、年金生活者にとっては「毎日が日曜日で月曜日」だ。現役のころのような「平日」と「休日」の違いはなかなか実感できない。パンデミックがそれに拍車をかけた。
ところが――。新年度がスタートして1カ月ちょっと。コロナ禍で3年にわたって中止したり、規模を縮小したりしてきた行事が、どうやら通常開催に戻りつつある。
地元の神社も、4年ぶりにいつもの流れで祭典を催すことになり、その旨の案内状が4月に届いた。
案内状によると、例大祭は、新型コロナウイルス感染症のまん延を受けて、3年にわたって規模を縮小してきた。感染症が鎮まりつつあり、政府の対策が緩和されてきた状況を踏まえて、感染に留意しながら、恒例の例大祭を斎行(さいこう)する、とあった。
例大祭は春の大型連休中に行われる。近隣の区長も来賓として祭典(神事)に出席する。この3年間、来賓は出席を見合わせてきた。
区長を引き受けて以来、大型連休を利用してどこかへ出かける、ということはなくなった。コロナ禍の3年間はそれができたとしても、遠出を控えたので、結局は同じことだった。
祭典に出席した4年前を振り返る。そうでないと、行事の流れがつかめない。背広に白いワイシャツ、ネクタイ、革靴。葬式以外に正装するのは、それこそ4年ぶりだ。これを前日までにそろえる。
「お祝い」も持っていく。わが家にあるのし袋にはなぜか「寿」が書いてあった。カミサンに見せると、「それは結婚式用」と言いながら、一般の「御祝い」用を出してきた。
当日、「みどりの日」の朝6時、頭上で花火が2発鳴った。川向こうからも聞こえてきた。「祭りを開催しますよ」という合図だ。祭典が始まるのは午前10時。これは従来と変わらない。
祭典から直会(なおらい)の流れは頭に入っている。とはいえ、コロナ禍が消えたわけではない。直会による飲食は差し控え、「直会の粗肴」を手渡しするという。マスクなしの「三密」は避ける、という判断からだ。
もう一つ、コロナ禍前と違って、神輿(みこし)渡御はトラックでの巡行となった。これも三密回避の自衛策ということらしい。
午後遅く、地域を巡行してきた神輿は、わが家から1軒隣の歯医者さんの駐車場に鎮座した=写真。全員が車で移動していることもあるのだろう、「ワッショイ」のない小太鼓だけの、なんとも静かなサカムカエ(酒迎え)だった。
これから地区の行事も「4年ぶり」というのが増えてくる。コロナ禍の前と後では、しかし何かが変わった、少子・高齢社会がそれに拍車をかける――そんな思いが芽生えつつあるのを否定できない。
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