2016年4月19日火曜日

隠居のシダレザクラ

 夏井川渓谷の隠居の庭にあるシダレザクラが満開になった=写真。曇天の日曜日(4月17日)。風が激しい。時折、雨粒が突き刺すように飛んでくる。
「平成28年熊本地震」から3日目。大地の揺れは収束する気配がない。週末に会議が続いた。雨模様のうえに用もある。なんとなく気が重いので隠居へ行くのはよそうかと思ったが……。「せっかく咲いたシダレザクラを見てやらないと」とカミサンがいう。用事を後回しにして出かけた。

 花にも順序がある。街のソメイヨシノと渓谷のアカヤシオ(イワツツジ)は開花時期が同じだ。隠居の庭のシダレザクラは、対岸のアカヤシオより1週間遅い。
 
 十数年前に植えた2本の苗木が平屋の家と同じくらいの高さに生長した。花が全開すると、ピンクのシャワーができる。去年は、噴水状の花の下にゴザを敷いて、孫たちと“食事会”をした。「花見をしましょう、お花の下で食べましょう」と上の孫が言うので、カミサンが喜んで準備した。
 
 シダレザクラの花に引かれて庭に入り込む行楽客がいる。あいさつされれば「どうぞ、どうぞ」となるが、黙ったままだといちおう「ここは民家です」と告げる。
 
 茨城県高萩市からやって来た3人連れは、田村郡小野町の「夏井の千本桜」がお目当てだった。花のシャワーのなかでカミサンといろいろおしゃべりをしていた。庭のあちこちにカエデが芽を出す。実生の苗をあげた、という。一緒に眺めれば、花はより美しい。いや、花が喜ぶ。

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