2016年4月22日金曜日

「信毎」を読む

 共同通信が3月、東日本大震災5年特集「新たな街づくり――心の痛み 分かち合う」を地方紙に配信した。カミサンが取材を受けたので、関係した記者(いわき在住)が先日、掲載紙を持ってきた。3月12日付の信濃毎日新聞で、1ページを特集に充てている=写真。
 原発避難者といわき市民の「共生」がテーマだ。記事の前文に「ある日突然、原発事故でふるさとを追われた人が隣人になった。生活習慣の違い、賠償金をめぐるやっかみ。避難で受けた心の痛みを分かち合い、共生の街をつくれるか」とある。

「あつれきから共生へ――福島県いわき市での取材を基に作製」したイラストが載る。避難者の意識調査結果や避難者数などの統計、今まで言われてきた「あつれき」のほか、次のような「共生」への取り組みが紹介されていた。

 もの作り=NPOを介した平七夕祭りへの参加など。対話=未来会議inいわきの開催。足を運ぶ=避難者がいわき市民を避難区域に案内。お祭り=いわきおどりに避難者がチームをつくって参加――。半分くらいは、シャプラニール=市民による海外協力の会が交流スペース「ぶらっと」で企画・実行してきたことでもある。

 記者のいわきルポも載る。カミサンの部分。「米店の一角を避難者と市民の交流スペースにしてきた。『うわべだけ仲良くしてもだめ。ぶつかったっていいじゃない』。自身、避難者の中には、親しくできる人もいれば合わない人もいる。『内面を見せ合って付き合うしかない』」

 少し補足する。「市民の交流スペース」は、シャプラニールも加わったNPO法人「3・11を支援するいわき連絡協議会」が設置を進めた、まちの交流サロン「まざり~な」のことだ。プロジェクトは終了したが、米店での活動は今も続いている(震災前から奥さんたちの茶飲み場だった)。

「ぶつかったっていいじゃない」は、避難者・いわき市民の人間性にかかわること。「人を思いやる」という一点だけで、人間的に尊敬できる避難者(市民)もいれば、できない市民(避難者)もいる。付き合っていればわかる。一緒くたにしない、個別・具体で見ていく、ということだ。

 と、ここまで書いてきて、この特集は被災地以外の人々に向けて書かれているものだと気づく。地元福島の県紙は自前で特集記事が組める。共同の特集記事を使う必要はない。そう判断したからこそ、掲載を控えたのだろう。おかげで、初めて「信毎」を読むことができた。

0 件のコメント: