2019年4月17日水曜日

【復興】広域農道

 谷を刻んで流れる夏井川が扇状に広がる平地へと向かうあたり、地形的には平地より一段高い段丘に田んぼと小集落がある。田んぼはいわき市小川町上小川字西田、小集落は県道小野四倉線をはさんで山側の字高崎。
 この田んぼに、去年(2018年)夏から土砂が運ばれるようになった。土砂はやがて積み上げられて幾何的な形になった。

ちょっと前、道路のそばに看板=写真=が立って、何をしているのかがわかった。「新しい農道を造っています」。「【復興】広域農道整備3003工事」ともあった。

広域農道については昔から知っている。高崎に近い二ツ箭山中に、四倉の上岡地区から始まり、小川の福岡地区で終わる“天空のハイウエー”がある。

夏井川渓谷の隠居への行き帰り、といっても年に2~3回だが、気まぐれにここを利用する。四倉側にある「上岡トンネル」は、完成してはいるが通行はできない。小川側も、高崎近くで尻切れトンボになっている。「カネの切れ目が事業の切れ目」のようだった。

新聞記者時代、市役所を長く取材したので、行政マンの仕事のやり方は承知している。

広域農道は、県の農林事務所が担当している。予算の取り方は市町村となんら変わらないだろう。四倉~小川の広域農道は、担当部署(の人間)にとって、恥ずかしいくらいに中途半端なものだった(と、私は想像してみる)。

そこへ、3・11がおきた。広域農道もどこかで被害が出た。それを根拠に、“創造力”を駆使して復興予算を手に入れた。「【復興】広域農道」と【復興】を冠する必要があったのは、そのため(と、私はうがってみる)。

 日曜日(4月14日)に県道を通ったら、「新しい橋を造っています」という看板も立っていた。橋? 夏井川に? 高崎側の杉林が伐採されていた。県道をまたいで県道に接続するための跨道橋をつくる、ということだろう。

 この広域農道は、西田が終点かもしれない。としたら、夏井川渓谷の隠居への行き帰りに、天空のハイウエーをちょくちょく利用できる。牛小川(渓谷)~西田(対岸に東北電力夏井川第三発電所が見えると、すぐ広域農道に入る)~二ツ箭山(天空のハイウエー)~石森山(平)~わが生活圏と、一本の線で結ぶことができる。対向車両がほぼゼロ、なのがいい。

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