レストラングルメではない。日常の食生活を彩る程度にサバイバルグルメを自称している。山菜やキノコを採る。ネギや白菜を栽培する。それらをどう調理したらうまく食べられるか――そんなことを、カミサンのウデを借りながら考える。
原発震災後、セシウムが高いキノコや山菜はもちろん食べない。夏井川渓谷の隠居は全面除染の対象になり、庭の表土がはぎとられた。代わって清浄な山砂が敷き詰められた。そこから生え出たキノコ、例えば春のアミガサタケや梅雨期のマメダンゴ(ツチグリ幼菌)は、ありがたくいただく。
アミガサタケは枝垂れ桜の樹下に生える。4月21日の日曜日、満開の花の下に今季初めて頭を出した。次の日曜日には大きくなったものが何個か出ているはず――図星だった。計7本を採った=写真。アミガサタケは、コリコリ感と、噛めば噛むほどしみでるほのかなうまみがたまらない。
さきおととい(4月27日)も書いたが、改元がらみの10連休は、わが家には縁がない。地元の長寿会総会への顔出し、いわき地域学會の資料発送作業、神社の例大祭参加、行政資料の配布と、日替わりでなにかある。
ちょうど春の土の味が出回るときでもある。夕方になると、<きょうはどんな酒のさかなが……>と、脳内が騒がしくなる。
タラの芽・ワラビ・アミガサタケ……。自分で採ったり、お福分けで届いたりしたものがある。おとといの日曜日は、カツオの刺し身のほかに、タケノコとワラビの煮物を食べた。きのう(4月29日)はタラの芽のてんぷら、アミガサタケとアスパラガスの炒め物をつついた。今朝は、アミガサタケの味噌汁を――と、カミサンに頼んである。
おととい、隠居で栽培している三春ネギを300本ほど定植した。その何倍もの捨てネギが出た。そこから芽ネギ、というよりは葉ネギに近い苗を選り分け、新聞に4束ほど包んで持ち帰った。それをいつも行く魚屋さんや知り合いに配った。
わが家でももちろん、卵焼きや味噌汁の具にした。生長したときのような甘みや香りはない。が、若いので抜群にやわらかい。一仕事(ネギの定植作業)を終えた安堵感にやさしい味がからまって、つい焼酎の量も増える。同時に、食欲には負ける、いや食慾しかなくなったか――なんて自問しながら、口をもぐもぐさせることも増えた。
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