台風19号がいわき市を襲ってから、きょう(2月12日)で4カ月――。土曜日(2月8日)にいわき市文化センターで、自主防災組織と防災士の合同研修会が開かれた。市が主催した。
「災害発生情報等の取得方法及び避難行動のあり方について」と題した講座の冒頭、「近年の災害の特徴」のなかで台風19号の被害状況が報告された。最近、よく耳にする「線状降水帯」、これが近年まれに見る大災害をもたらした。
いわきで初めて「大雨特別警報」が発表された。いわき(小名浜)の年間降水量は1400ミリほどだが、去年10月12~13日に山間部の三和では総雨量448.5ミリを記録した。山間部は小名浜よりは降水量が多い。それでも一日ちょっとで年間の3分の1近くが降ったことになる。下流の平でも206.0ミリだった。いずれも夏井川水系だ。
9人が亡くなった。住家被害(全壊~一部損壊)は5669棟、ざっと7000世帯1万人が被災した。これに公共施設や農作物などを加えた被害総額は379億5000万円。昭和34(1959)年9月の台風、同61(1986)年8月の台風崩れなど、過去の水害4件の被害額(46億8000万円~18億円)に比べても、規模が一ケタ大きくなっている。もう過去の経験則は通用しない、ということなのだろう。
資料に被災直後の航空写真が載る=写真。住宅地を、刈り取り時期を迎えた水田を泥水が覆っている。橋の名前を聞き、平浄水場の場所を教えられてやっと位置関係がわかった。
被災直後はカミサンの友人の家や“孫”の家、後輩の家のことしか思い浮かばなかったが、「あの家も」「この家も」と、時間がたつにつれて被災した知人の家の数が増えていった。そのときの、それぞれの家の様子を想像しながら写真を見る。
講座では主に情報の入手の仕方を学んだ。消防本部による台風19号の事例発表もあった。東日本大震災を教訓に、「大規模災害時の消防活動計画」がまとめられた。今回初めて、この計画に従って活動した。記録班も設けた。119番通報は3・11のときより多かった――。消防の話からも、今回の水害がかつてないほど甚大だったことがわかる。
同じ日、被害住民らが「夏井川・新川・好間川水害対策連絡会」を結成した。それを伝える新聞記事によると、会長に就いたSさんは「2階建ての自宅は1階部分が約1メートル水没し、2階で不自由な生活を余儀なくされている」。
友人の娘一家は、「豊間の市営団地に一時的に引っ越した」。留守の間に訪ねて来て、メモを置いていった。彼女の家も1階が浸水した。「市営団地」は津波被災者用に建てられた災害公営住宅のことだろう。マチからハマへ、一時的とはいえ不自由な暮らしが続く。
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