2020年2月21日金曜日

阿久津曲がりネギが届く

田村市の実家から宅配便が届いた。前日、電話があって、「阿久津曲がりネギを手に入れたので3束送る」という。箱を開けると、みずみずしいくらいに白く輝いている曲がりネギが入っていた=写真下。1束6本、計18本。今季初めて拝む郡山市の特産品だ。
実家の兄は少し前、ガラケーからスマホに替えた。弟かだれかに私のブログを読めるように設定してもらった。私が栽培している「三春ネギ」は天候不順でほぼ全滅した。すると電話がかかってきて、春になってネギ苗が店頭に並ぶころ、人に頼んで確保しておく――という話になった。

郡山市が本社のヨークベニマルの店がいわきにもある。冬になると、いわきの店でも郡山の阿久津曲がりネギが買える。

しかし、台風19号の影響で阿武隈川沿いの産地が水をかぶり、根腐れを起こした。いわきの分までは確保できなかったのだろう。1週間前に、この冬はとうとう曲がりネギを食べずに終わった、と書いたら、店が休みの日に郡山へ出かけて、直売所かどこかで阿久津曲がりネギを手に入れた。生産者も居合わせたという。
おととい(2月19日)の朝、ジャガイモと阿久津曲がりネギの味噌汁にした=写真上。私にとって最良の組み合わせがこれ。お椀を口に持ってくると香りが立った。かむと軟らかい。甘みととろみがある。とろみは、葉の内側にあるぬめり(蜜)が加熱して変化したものだろう。ジャガイモもいい具合にほぐれて、ネギのとろみとよくからみあう。久しぶりにネギで幸せな気分になった。

曲がりネギの産地・阿久津は、郡山市に編入・合併するまで田村郡の一部だった。阿武隈川の右岸に位置している。三春町とは地続きだ。三春ネギの本場の田村地方でも、阿久津と同じように、夏に斜めに植えなおす「やとい」という作業をして、曲がりネギにする。秋に種をまくのも同じ。このため、三春ネギと阿久津曲がりネギは親戚、ないし同一種、と私はみている。

きのうの朝は、豆腐と曲がりネギの味噌汁が出た。ジャガイモと違って、豆腐は豆腐、ネギはネギといった感じで、味のハーモニーはない。ま、それはそれでさっぱりとして、穏やかな味だ。

ネギひとつでこうも脳内が刺激されるのはなぜだろう。子どものころ、三春ネギとジャガイモの味噌汁を食べて育った。その味が味蕾に刷り込まれているらしい。品種の違うネギが手に入ると、まずはジャガイモとネギの味噌汁にする。それで良しあしを判断する。

この前は西日本の広島の根深ネギが手に入った。味噌汁にしたら、まあやわらかいことはやわらかいが、甘みはなかった。淡泊な味だった。やはり、阿武隈高地で生まれ育った人間には三春ネギ、ないし阿久津曲がりネギが一番ぴったりくる。

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