助手席のカミサンがカメラを向けて1コマだけ撮った。「車を止めてよ」。後続車があるので止めるわけにはいかない。広い道路に出て車を止め、カミサンが撮った写真を見ると、青空しか映っていない。
そこへまた別のグループが現れた。運転席からフロントガラス越しにカメラを向ける間もなく上空を通過した。シャッターチャンスを逃した! そんな気持ちを抱えながら車を進めていると、平・上平窪の刈田でえさをついばんでいる一群がいた=写真下。
農道のそばだ。車を減速して近づける。カミサンがカシャ、カシャやっても動じない。ハクチョウに限らない。野鳥は一般に、人間を恐れても車には鈍感だ。ハクチョウはえづけされているため、岸辺に人間が現れるとえさをもらえると思って、近寄って来さえする。
さらに小川・三島に入ると、道路そばの夏井川にハクチョウが何羽か羽を休めていた。ここは道路から川まで段差がある。道端に米を入れる紙袋があった。ハクチョウのえさが入っているのだろう。そばの家の人が毎朝、えさをまく。何年か前に一度、遭遇して話を聞いたことがある。
神谷で、平窪で、三島でハクチョウと出合った。それだけでもよしとするか――。夕方、夏井川渓谷の隠居から戻って、パソコンに撮影データを取り込み、カミサンが朝一番で撮影した青空を拡大すると、驚いた。14羽のハクチョウがほぼ一直線になって飛んでいる。
それをさらに拡大して1羽ずつ見る。先頭から4番目のハクチョウの首に青い環(わ)が付いていた。トリミングして拡大したのが冒頭の写真。2番目のハクチョウに、やや長めの首環が付いている=写真上。
もうひと昔前になる。「緑色の首環と足環を付けたハクチョウがいる。首環には細いアンテナが付いている」。平成22(2010)年2月3日の節分の日に、塩と中神谷の境でハクチョウにえさをやっていた「白鳥おじさん」(2012年に死去)に教えられた。首環の発信機と通信衛星を利用してハクチョウの渡りのルートを調べるのが目的だったのだろう。
日本野鳥の会いわき支部によると、同21(2009)年10月、北海道・網走のクッチャロ湖で「169Y」の首環・足環を装着されたコハクチョウだった。
緑色なら日本で装着されたハクチョウだとわかる。今度のハクチョウの首環は、どう見ても緑色ではない。ロシアなら赤色。青色は? どなたかご教示を。
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