2020年11月19日木曜日

コロナ禍の子どもたち

        
 先日、といっても3週間近く前だが、家庭教育支援者いわき地区研修がいわき市文化センター大ホールで開かれた。地域の青少年育成市民会議に関係しているので聴講した。“3密”を避けるため、隣の席が空くよう、一つおきに「×」の紙が張られていた=写真上。大ホールになったのも、聴講者数に対応したスペースがそこしかなかったからだろう。

 研修は、1部がオンライン講義で、NPO法人親子コミュニケーションラボ代表理事天野ひかりさん(フリーアナウンサー)が、ステージのモニター画面を通じて話した=写真下。会場風景も同時に映って、双方向のかたちで講義が行われた。ネットを介した講演を初めて経験した。

 2部は、地元いわきの医療創生大学特任准教授久保尊洋さんが「新型コロナウイルス状況下における子どもの心のケアについて」と題して講義した。こちらは通常の生の講演だった。

 久保さんは今年(2020年)5月、登校日を利用して、いわき市内の中学生500人を対象に、「コロナ禍のストレス」に関する調査をした。その結果の一部――。

 コロナ恐怖がやや高めの生徒が40.3%、高めの生徒が14.0%、つまりクラスの半数は確実にコロナ恐怖をもっていることがわかった。イタリアやロシアと比較して、コロナ恐怖が高い傾向にあるという。

 何を不安に感じているか、では、①普段の勉強58.7%②受験勉強や入試50.9%③部活動や大会50.3%④友達関係24.5%――と、勉強への不安が大きい。

 子どもへのサポートとして、久保さんは4点を挙げた。①道具的サポート=勉強を教えるなど②情緒的サポート=励まし・相談など③情報的サポート=必要な情報や知識の提供など④評価的サポート=評価で子どもの自信をつける――で、話を聴くときやってはいけないのが、「いや、違う」などの遮りや書き留め。(以前、傾聴ボランティアに聞いたことがあるが、それをやると話し手は口をつむぎ、心を閉ざしてしまう)

 コロナ恐怖が高いと抑うつ・不安の症状が高い、病気にかかりやすい人間ほどコロナ恐怖を感じやすい、ともいう。

 地域の人間としては主に朝と午後、家の前を通る子どもたちの見守りということになるのだが、講演中はずっと中1と小5の孫の顔を思い浮かべながら聞いた。

 コロナ問題で、子ども同士の差別や偏見を減らすには――。コロナに関する情報を制限する、日本赤十字社などのような確かな情報源を勧める、SNSなどで差別的な言動に同調しないようにする、などが大事、ということだった。

 同時に、この事態に対応しているすべての人々にねぎらいと敬意、感謝の気持ちを――とも。それは子どもに限らない、コロナの第三波がいわれている今、大人も忘れてはならないことだ。

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