紆余曲折があった。最初は通常の対面型の講座を予定していた。会場はいわき市文化センター1階の大講義室。
ところが、新型コロナウイルスの感染再拡大、いわき市での「まん延防止等重点措置」の実施で、同センターを含む公共施設が臨時休館に入った。その後も期間が延長され、これ以上先延ばしにするわけにはいかない、というわけで、オンライン(ZOOM)開催に切り替わった。
「いわきツーリズムガイド養成講座」(10回シリーズ)が9月9日夜、開講した。観光庁の「地域の観光資源の磨き上げを通じた域内連携に向けた実証事業」で、いわき観光まちづくりビューローが主催し、いわき地域学會が協力した。
初回は地域学會の小宅幸一幹事が「いわきの観光の成り立ちと発展」と題して話した=写真(リハーサル中の様子)。
講義に先立って開講式が開かれ、観光ビューローの井上直美会長と、地域学會を代表して私があいさつした。
ZOOMはオンラインでミーティングを開くことができるウェブ会議システムだという。同ビューロー事務局(市石炭・化石館ほるる内)の一室が講師のスタジオになった。
実は今年(2021年)3月下旬、国際NGOのシャプラニール=市民による海外協力の会の「みんなでいわき!2021」オンラインツアーが開かれた。
シャプラニールは東日本大震災・原発事故の直後からいわき入りし、緊急支援後も生活支援に軸足を移して交流スペース「ぶらっと」を運営した。現地支援の一環として、毎年、「みんなでいわき!」ツアーを実施している。
10年の節目に当たる今年はコロナ禍のため、オンライン(ZOOM)でいわき~東京~全国各地を結び、被災地の今の様子やシャプラとつながりのできた人々の思いを聴いた。
わが家の向かいにある故義伯父の家をいわきのスタジオにした。シャプラがいわきで活動を続けたときの宿泊所でもある。
カミサンはシャプラのいわき連絡会として、オンラインツアーの最後にあいさつした。私は自宅茶の間で、パソコンを開いて同ツアーの様子を“取材”した。
ZOOMは、その意味では2度目だが、直接画面の向こうにいる人たちに話しかけるのは初めてだ。小宅さんはすでに何度かオンライン講義を経験している。井上さんもオンライン会議を普通にやっているという。ネット時代のコロナ禍下、ZOOMは組織その他の情報共有化に欠かせないツールになっているようだ。
デジタル技術に通じた若い世代がいないとこのシステムは機能しない。リアルタイムで画像と音声を届けるという点では、テレビ局と同じだ。あいさつや講義の「出演者」をリードするスタッフは「ディレクター」、別室の司会進行役は「キャスター」といったところか。いずれも観光ビューローの職員が務めた。
私自身も、11月にはいわきの文学の話をする。資料の見せ方を工夫しないといけない――スタジオの様子を知ってそんなことを実感した。
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