2021年9月20日月曜日

暑い秋の一日に

        
 日曜日(9月19日)は久しぶりに晴れて暑くなった。「暑さ寒さも彼岸まで」という。秋分の日(9月23日)が近い。夏井川渓谷の隠居で土いじりをしていると、熱中症になるのではないかと思うほど汗をかいた。合間に水をガブガブ飲んだ。

 今はとにかく、菜園にはびこっているメヒシバを中心にした雑草を引き抜くこと。そうでないと、「三春ネギ」の種をまく苗床を確保できない。

 三春ネギの種をまく日は決まっている。10月10日。20年以上前、家庭菜園を始めたときに、隠居のある小集落の住民に教えられた。

今年(2021年)はたまたま日曜日だ。それから逆算して、石灰をまく、肥料をすき込む、という作業がある。そのための草引きだった。

 1週間前は三春ネギのうねの周りの草を引いた=写真。今度も、フィールドカートに座り、ねじり鎌で疊2枚ほどのスペースをきれいにした。それだけでもけっこうな時間がかかった。

「年寄り半日仕事」という。昼食をとって一休みしたあとは、草引きをやめて隠居の庭をウオッチングした。

雨が降ったりやんだりのじめじめした天気が続いた。ネギは湿気に弱い。とりあえず様子を見る。盛り土が足りずに倒伏した3本を直したほかは、異状はなかった。

あとはキノコ、花、虫、その他なんでもいい。庭にあるものを見る、食べられるものがあれば採る――といった感じでブラブラした。

敷地はそばの県道に沿って横に長い。15メートル×45メートルくらいある。広さだけは小さな分校の校庭並みだ。隠居をはさんで上流側は菜園、下流側は庭木と駐車場で、土地の境には木が密生している。

そこを歩くだけでも「発見」がある。隠居と風呂場の間に「坪庭」がある。カエデの若木とウツギがくっつくように生え、周りをクサソテツなどが覆っている。木の根元に名前のわからないキノコが点々と、円を描くように生えていた。

地面から生えるキノコについては、もうキノコ単独で存在しているとは思わなくなった。そばに木があれば、その根と共生している。つまりは菌根菌。そういう視点からキノコを見る。

カエデ、あるいはウツギがそれに該当するかどうかはわからない。とりあえず調べる。見ることが調べることにつながるところがおもしろい。

ま、それはともかく、この日の目的はモミと共生するアカモミタケが出ているかどうか、だった。去年までの記録を見ると、10月中旬に庭から採取している。やはりまだ早かった。

この日は行楽客が昼前から渓谷にやって来た。シルバー世代だけではない。家族連れや若いカップルもいた。久しぶりの快晴、しかも9月20日の「敬老の日」と合わせて、3連休の真ん中だ。遠出したくなるのは当たり前か。渓谷の行き帰りに「杉並」や「湘南」ナンバーの車を見かけた。

隠居の庭につかつかと入ってくる女性もいた。行楽シーズンになると、たまにある。「ここは普通の民家です。そば屋ではありません」と冗談ぽくいうと、「あらっ」といった表情になった。そば屋でなくてもなにかの店のように思ったらしい。そこから会話が始まればいいのだが、たいがいはすぐ背を向けて出ていく。これは、コロナ禍の「3密」とは別の問題だ。

0 件のコメント: