シャプラニール=市民による海外協力の会は、来年(2022年)9月に創立50周年を迎える。先日、会報「南の風」とともに『創立50周年記念誌』が届いた=写真。
「日本最古のNGO」といわれているそうだ。40周年は、東日本大震災と原発事故がおきた翌年に迎えた。
そのときは会報を記念号にした。震災と同時に、シャプラニールは初めて、いわきを拠点に国内支援に入った。40周年記念号に触れた拙ブログ(2012年10月10日付)を要約して再掲する。
――いわきで被災者のための交流スペース「ぶらっと」を運営している、シャプラニールが2012年、設立40年の節目を迎えた。会報「南の風」40周年記念号に、強口暢子いわき市社会福祉協議会長が寄稿している。
「この1年以上にも及ぶ取り組みの中で、多くの支援団体に支援を頂いたが、シャプラニールの存在とその活動は群を抜いている。(中略)私ども社協にとっても欠くことの出来ない心強い存在になっている」
シャプラの前身「ヘルプ・バングラデシュ・コミティ」を立ち上げた一人が、いわき市出身の親友だった。で、そのころからシャプラのことを視野に入れてきた。
10月27、28日には東京・芝の増上寺三縁ホールで40周年記念のフエスティバルが開かれる。被災地支援の一環としていわきの民工芸品や野菜が販売される。
出店するのはスカイストア(野菜)・クラフト夢現(木工芸品)・木地処さとう(伝統こけし)・いわき絵のぼり吉田(絵手ぬぐい)・磐城高箸(割箸セット)。
シャプラニールは2012年、沖縄県が主催する「沖縄平和賞」を受賞した。沖縄県が評価したということが、なによりもうれしい。ついでにいえば、「ぶらっと」も10月9日、開設満1周年を迎えた――。
いわきでの活動は5年に及んだ。台風19号で甚大な被害が出たときにも、シャプラニールはいわきで飲料水の緊急支援を行い、「みんなでいわきボランティアツアー」を実施した。
いわきで直に活動を見てきた人間の感想だが、私には「顔の見えるつながり」がシャプラの特質だと思っている。
スタッフが業務で、支援者がツアーでいわきを訪れる。いわきを見る、食べる、買う、泊まる――地道ではあっても、人と人とがつながる懸け橋になった。
支援活動を続けているバングラデシュの事務所長はいわき駐在経験者、ネパールの事務所長も東京事務所時代、何度かいわきに来ている。
会員、そしてマンスリーサポーターでもある三重県のTさんが記念誌で紹介されている。Tさんもまたいわきに来た。
「南の風」では、やはりいわきへ何度も来ているYさんが「理事・評議員からのメッセージ」欄に寄稿している。
Tさん、Yさん、そして私らもそうだが、「市民による海外協力」は、こうした暮らしの現場と直結したものなのだということを再認識した。
シャプラニールは「当事者の主体性を大切にし、その人が持つ豊かな可能性が開花するような側面からの支援」を原則にしている。この愚直さに引かれる。
0 件のコメント:
コメントを投稿