2021年12月5日日曜日

コンビニ経営45年

        
 「おや、もう45年になるのか。オープンすると、すぐのぞいっけ」。12月3日の新聞折り込みに、セブンイレブンいわき平7丁目店のチラシが入っていた=写真上1。

チラシの頭に創業者菊田清二・英子さん名のあいさつ文が載っている。「新しい小売業態としてのコンビニエンスの経営に飛び込んで45年になりました。(略)すぐそばにある便利なお店として、これからもお役に立っていきたいと思っています」

このコンビニができたころ、私は平下平窪の古い戸建て市営住宅に住んでいた。後輩や同業他社の記者たちがよく飲みに来た。

そのときだったかどうかは、定かではない。が、早耳の記者か誰かから、コンビニエンスストアが平・本町通りの東はずれにできる、と聞いた。で、オープン直後、よちよち歩きと乳飲み子の2人を車に乗せて、カミサンと平窪から“探検”に出かけた。

確か、いわきで最初のコンビニ、ではなかったか。店を開けているのは早朝7時~深夜11時。当時の小売店の常識を破る営業形態に興味をそそられた。

それから2年ほどして、私たちは平窪から中神谷へ引っ越した。菊田さんは同じ小学校の学区内に住む。

やがてカミサンさん同士が知り合い、私は好間町榊小屋の好間川べりにある「ギャラリー木もれび」で、初めてご主人に会った(このへんの記憶がはっきりしない、マチで、だったかもしれない)

同ギャラリーは、平成17(2005)年に菊田さん夫妻が開廊した。つまりはオーナーだ。

今回、初めて菊田さんの会社のホームページをのぞいた。それによると、業務は①コンビニ部門②自然エネルギー部門③不動産管理事業――とあって、4番目にギャラリー木もれびが紹介されている。

内容は「いわき市の芸術家の活動の場の無償提供、宣伝、広告とボランティア活動」、つまりは企業メセナ(見返りを求めない芸術文化支援)だ。私はその意味では、企業家というより「木もれび」オーナーの菊田さんと会っていることになる。

10月下旬、同所で「《杜のシリーズ》から 石川貞治個展」が開かれた。同ギャラリーは瀟洒な洋風の建物だ。門からのアプローチも風情がある=写真上2。

私自身がそうだからかもしれないが、博物学的な興味と想像力をはたらかせる石川さんの多彩な作品が好きだ。日曜日に夏井川渓谷の隠居へ行き、昼過ぎ、平地へ下って丘を越え、さらに別の丘を下って「木もれび」を訪ねた。石川さん、菊田さん夫妻としばらくぶりに会って話した。

いわきでは、昭和40~50年代の「草野美術ホール」以来、マチの画廊が地道に活動している。絵を描く人も多い。現代美術を収集の柱にした市立美術館もある。

なかでも「木もれび」は、経済と文化(美術)を往還する菊田さんの思いをエンジンにして、ボランティアが運営を担っている。知人らがそのメンバーに加わっている。折り込みチラシを見ながら、そんなことも思い出した。

0 件のコメント: