2021年12月22日水曜日

忘年会

        
 2カ月に1回、定例的に開かれている飲み会がある。コロナ禍以来、場所がいわき駅前の飲み屋街から、わが家の向かいの故義伯父の家に替わった。

調理師免許を持つ若い仲間がいる。彼が参加するときには、ふだん味わえない料理が出る。目の前の台所でつくる。

去年(2020年)の夏には、カツオとスズキを丸ごと1匹持参した。刺し身、バーナーで皮をあぶった火山(ひやま)のほかに、スズキの洗い、カツオの摺(す)り流しが出た。火山も、洗いも、摺り流しも、“宅飲み”では初めてだった。 

 直近の土曜日(12月18日)には、鹿児島産のカンパチを1匹持って来た=写真上1。カンパチはアジ科の大形魚。鹿児島はカンパチ養殖日本一の県だそうだ。

 カンパチの刺し身=写真上2=のあとに、メーンのすき焼き鍋が出た。具だくさんで食べごたえがあった。わが家では豚肉の「ほうれんそう鍋」が定番なので、牛肉を口にするのはほんとうに久しぶりだ。

翌日は、残りをおじやにして食べた。これがまた、すき焼きの甘みとからまって奥深い味を出していた。

 たまたま師走の飲み会になった。そうか、忘年会でもあるのだ、個人的には今年(2021年)最初で最後の――そんな感慨がよぎった。

 現役を離れて以来、歓送迎会や暑気払い、忘年会などの「年中行事」からはすっかり足が遠のいた。

それでも、コロナ禍の前は二つか三つ、忘年会を兼ねた飲み会があった。午後6時始まりだと、国道のバス停4時23分のいわき駅前行きを利用する。6時半とか7時始まりだと、最寄りの旧道バス停6時ちょっと前の最終バスで行く。

駅前大通りにあるケヤキ並木には師走のイルミネーションがともる。この2年、駅前でバスを降りることがないものだから、夜の電飾もまったく見ていない。

 「きょうは忘年会だな」。そうつぶやくと、間もなく70歳になる酒友が反応した。まだ半分、現役だ。「もう忘年会はやったよ」。最初の忘年会のことで、年末までにあと何回やるかは、その人の立場や人とのつながりによる。

 40~50代のころはそれこそ、11月下旬に始まり12月下旬に終わるまで、二けたの忘年会をこなしたものだった。

仕事を離れて還暦を迎えたころからは、同好の会や同級生との忘年会を開くくらいで、静かな師走を迎えるようになった。

同級会との飲み会は夏井川渓谷の隠居で開くのが恒例になった。これもコロナ禍でストップしたままだ。

オミクロン株の影響次第だが、年が明けて春になったらいわき駅前で定例会をやりたいな、街の空気を吸いたいな――そんな気分が一方では強まっている。夜の街が恋しくなってきたようだ。

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