2021年12月16日木曜日

落ち葉焚き

        
 落ち葉焚きは、わが家では過去の記憶だ。子どもが小さいころ、庭の落ち葉をかき集め、焚き火をした。サツマイモをアルミホイルに包んで火の中に放り込んだ。

 ところが、いつからかこれを自粛するようになった。都市近郊農村の新興住宅地なので、40年前は家の裏へ行くと畑が広がっていた。今は、特に東日本大震災と原発事故後、あらかた宅地に切り替わり、アパートが立った。

 焚き火の煙やにおいは嫌われる。トラブルのもとになりかねないので、次第に落ち葉焚きから遠ざかった。

 街では控えるが、家の前に田畑が広がる郊外ではどうか。夏井川渓谷の隠居の場合、庭木の剪定枝がたくさん出る。木の葉も庭一面に降る。

 剪定枝は敷地の境に積み上げてある。木材腐朽菌に分解を任せていては時間がかかる。細い枝くらいは早く焼却したい。落ち葉も焚いて「草木灰」にしたい。

日曜日(12月12日)はちょうどいい具合に風がなかった。隠居の庭で落ち葉焚きをした。火の番はカミサン。私はその間、幹から伸びて行き来に支障をきたしている枝を切ったり、ネギ苗床の落ち葉を払ったりした。

苗床のそばに鳥の巣が落ちていた=写真。とても小さい。直径は8センチ、底も浅い。細かい枝のほかに、ビニールシートのほつれを巣材として利用している。大きさからするとメジロの巣か。これは持ち帰り、カミサンの古巣コレクションに加えることにした。

 さて、前に「廃掃法」(廃棄物処理及び清掃に関する法律)が禁止している「野焼き」の例外規定を調べたことがある。

市民生活に身近なものでは、「風俗習慣上・宗教上の行事を行うために必要な場合」として、どんと焼きが上げられていた。いわきの場合だと、正月の「鳥小屋」行事がこれに当たる。

 また「焚き火など日常生活を営む上で通常行われる廃棄物の焼却であって軽微なもの」として、暖をとるための焚き火、キャンプファイヤーなどが例示されていた。

 「農林漁業でやむを得ず行われる廃棄物の焼却」では、稲わら、焼き畑、下枝、剪定枝の焼却などが例外として認められている。

要するに、家庭の落ち葉焚きや剪定枝の焼却などは問題ない、ということだろう。ただし、可燃ごみではあっても生ごみ・紙類・プラスティック・ビニール類は焼却が禁止されている。

自粛と、実行と。当事者の心も揺れる。いわき市の「野焼き」に関する解説に「毎年、稲わらなどの焼却による煙やにおいなどに対し、多くの苦情が寄せられている。稲わらなどは、貴重な有機資源なので、焼却ではなく、すき込みなどによる有効活用に協力を」とあった。

「令和元年東日本台風」以来、河川敷の立木伐採・堆積土砂除去が行われている。河川敷は土砂がむき出しだ。来年(2022年)早春、隣の行政区では堤防の野焼きをやるのかどうか。

 これまでにも対岸や下流の住民から苦情が寄せられ、野焼きが中止になったことがある、と聞いた。野焼きの効用(害虫駆除・若草の肥料など)もあるのだが、悩ましい問題だ。

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