2021年12月18日土曜日

歳暮のもちを届ける

        
 前にもちょっと書いたことだが――。カミサンの実家(米屋)では、師走になると歳暮のもちをついてお得意さんや知人に届ける。支店に住む私らが担当する分もある。

 夫婦で顔を出すところが1軒。あとはカミサンのアッシー君だ。年に1回、この日だけ会う人とは話が長くなる。お得意さんとも1年を振り返る話になる。その間、私は雲を見たり、鳥を見たりして時間をつぶす。

 たまたま昼食時間を避けて、午後1時前後に訪ねた家がある。「夫は昼寝中」。もう1軒も「昼寝をしていた」。私らもこの時間、歳暮を届けなければ昼寝をしている。

 理由は簡単。早寝・早起きになったことだろう。私は最近、夜の9時ごろに寝て、未明の4時ごろには起きる。

「年寄り半日仕事」ではないが、昼前に少し動いて昼食をとったら、一眠りして午後に備える

昼寝そのものは前からしていた。でも、こんなに早寝・早起きになるとは、10年前、いや5年前でも想像ができなかった。

 誰でも毎年、一つ年をとる。その年なりに思い悩むこともある。私らより年長の女性は運転免許を返納したという。もともとペーパードライバーだったカミサンは、70歳を過ぎるとすぐ返納した。タクシー料金が1割安くなる恩典がある。たまにこの恩典を利用している。

 孫たちは学校が終わるとまっすぐ帰宅する。その時間、母親の両親が通いで孫の面倒をみてくれる。夕方、もちを届けに行くと、母親がいた。

 下の孫がコロナワクチンで発熱し、急きょ仕事を休んだのだという。私ら夫婦は注射痕の周辺が痛くなった程度で、発熱することはなかった。「やっぱり若いんだね」。老若の違いを実感した。

 さて、わが家のもちは、あまり硬くならないように、こたつのなかで一昼夜保温した。もちは1キロずつポリエチレンの袋に入っている。のしもちだ。

それを取り出して、早めにもちを切る。ポリ袋ごと縦に二つに割り、さらに2センチ幅に切っていく。最後に袋をはがす。

包丁を入れると、もちがしなる。しかし、それなりに硬さが増していたので、わりと楽に切り終えた。それを段ボール箱に並べる=写真。

まだ軟らかい豆もちが1枚あった。包丁を入れたあとから、切り口がくっついてしまう。このへんの方言でいえば、すぐ「ねっぱる」。これは硬くなるのを待つしかない。

もちを切るときには左手のひらを包丁の峰に当てて押し込む、もちが硬いと、力が要る。手のひらが痛くなる。今までは軍手をはめてやった。今回は早めにこたつから取り出したので、素手でよかった。

お年寄りだけの家では、ちょっと間をおくと硬くなって切るのに難儀する。こちらで食べられる大きさに切って届けたこともある。

年々歳々やることは変わらない。とはいえ、それなりにみんなどこかで変わっている。歳末のもち配りからそんなことが見えてくる。

そうそう、昼寝中だった知人とはこんな話にもなったそうだ。「すっかり耳が遠くなった」「そうだよね、年を取るのは初体験だもの」

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