2021年12月15日水曜日

今年最後の山里巡り

 いわきは福島県の浜通りなので、今のところ積雪の心配はない。といっても、三和は標高が高い。中通りに接している。街(平)は雨でも山里(三和)は雪、ということがよくある。

 師走も半ば。12月12日の日曜日、夏井川渓谷の隠居で土いじりをしたあと、対岸の山を越えて「三和町ふれあい市場」へ出かけた。

 土いじりはそのとき、そのときの調子で、午後まで続くことがあれば、午前も早いうちに終わることがある。昼前に片付けが終わったら、直売所を巡りながらどこかで昼食を――となる。

 どこで昼食をとるかでルートが決まる。小野町なら「あぶくま高原道路」を利用して平田村の道の駅をのぞく。山の陰なら永井(三和)の「いこいの学校 長居小」で買い物をして、「農家そば屋」で十割そばを食べる。

今回は3週間前に引き続き、下市萱(三和)の「三和町ふれあい市場」へ直行した。昼は隣の「会津とらや」で中華そばを食べた。

 牛小川(小川)の隠居から「ふれあい市場」へ行くには、夏井川の上流、宇根尻(川前)から急峻な山道をくねくね登り、台形状の平坦地・差塩(三和)に至って急坂を下らなければならない。

 宇根尻から夏井川の橋を渡ってすぐの道端に、新しい看板が立っていた=写真上1。「注意!この先 峠 幅員減少・急勾配のため、すべり止めの装置必要! 降雪の場合ノーマルタイヤでは登れません。ここでチェーン装着して下さい」

 そういう時期になったのは先刻承知の助だ。スタッドレスタイヤでも、冬、差塩の峠越えは避けてきた。その意味では、今回が今年最後の山里巡りだ。

 山里巡りの楽しみは買い物と食事だけではない。ドライブ気分を味わえる。「マイクロツーリズム」といえば、なにかコロナ時代の新しい余暇利用のように聞こえるが、いつも行っている「買い出しドライブ」のことでもある。

 交通量の多い街場と違って、山越えの道はほとんど対向車両も後続車両もない。スロー運転で目と耳を全方向に開いていると、出会いが待っている。

 助手席から「あれっ」と声がする。その方向を見ると、猛禽が電柱に止まっていた。そろりそろりとバックし、窓を開けると同時に飛び立ったところをカシャリとやった=写真上2。

 ずんぐりした体形、翼下面の模様から、タカの仲間のノスリと判断した。留鳥か、北から渡ってきた冬鳥かは、むろんわからない。が、ノスリを頂点にした食物連鎖が頭に浮かんで楽しくなる。この写真1枚だけでも山里巡りをしたかいがあるというものだ。

 ふれあい市場では白菜1玉、フキの油いためなどを買った。3週間前、ふれあい市場から白菜を買って漬けた。塩分過剰で失敗した。そのリベンジでもある。

14日に八つ割りにして、軒下で干した。夕方になると、雨がぱらつき出した。あわてて縁側に移動する。平地では雨、三和ではどうか。まさか初雪ということはあるまい。 

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