2022年1月4日火曜日

虎の置物

        
 今年(2022年)の干支(えと)は寅。1月2日に知人から電話があった。「虎の置物をつくった、今から届ける」という。

 ほどなく知人がやってきた。虎の置物は手のひらに載る大きさだ。糸ノコを使ってケヤキの板を虎の形状に切り取り、前足にマグネットをはめた。台板にもマグネットがはめられている。それで安定して立つ=写真上1。

感心したのは縞模様だ。木目をうまく利用して虎の黒い横縞を表現している。知人もその点を強調していた。

床の間に正月様が飾ってある。それとは別に、テレビの横の整理ダンスの上にも正月らしい飾り物がある。そこに虎の置物を添えた。

画家の石川貞治さん(平)が描いた絵馬風の「板絵」がある。青い目の黒猫と招き猫が描かれている=写真上2。

昨年10月下旬、「好間のV字谷」の奥、榊小屋のギャラリー「木もれび」で石川さんが「《杜のシリーズ》から 石川貞治個展」を開いた。

彼の博物学的な興味と想像力が生み出した多彩な作品が好きで、いつも楽しく観覧している。猫の板絵はそのとき購入した。

 整理ダンスの上にはそれも飾ってある。猫はネコ科ネコ属、虎はネコ科ヒョウ属。同じネコ科のいきものだ。ネコ科の野性をかみしめ、元日に届いた年賀はがきを読み返しながら、賀状を書いた。

 おととし(2020年)の5月から、古巣のいわき民報で「夕刊発磐城蘭土紀行」を連載している。といっても、ブログをそのまま転載しているだけだ。

コロナ禍の影響で地域の催しや会議などが延期・中止になった。それらを取材し、伝えるのがコミュニティペーパー(地域紙)の役目だが、取材対象が激減した。しかし、情報を盛り込む「器」の大きさは変わらない。コロナ禍下の新聞づくりに、急きょ、ブログで協力することにしたのだった。

ありがたいことに、今年の年賀状でもネットでブログを、活字で「夕刊発――」を読んでいる、というコメントが多かった。

同級生は、朝のうちにブログのアップがないと「胸が騒ぐ」と書いてよこした。パソコンの不具合よりも、体調の急変を心配する。別の同級生は、毎日、「夕刊発――」を読むのに「時間がとられて大変」とこぼす。

シリアの「アレッポの石鹸」の輸入元からは、「石鹸工場は爆撃により大破しておりましたが、再建が終了し昨年より操業が再開されました」という朗報が届いた。

書家の賀状には破調の俳句が添えられていた。「乳虎(にゅうこ)青銅器据ゑ寅の歳禱(いの)りけり」。「乳虎」は何なのかわからなかったが、検索するうちに寅年に引っかけたものと知って、おぼろげながらイメージが浮かんだ。

ネットで見られるそれらしい青銅器は紀元前11世紀の酒器だ。要するに、元日の屠蘇の情景を詠んだものだろう。

一日に1回締め切りを持つ、と決めたおかげで、毎晩、虎にならずに済んでいる――乳虎青銅器の連想でそんなことを思った。

0 件のコメント: