2022年1月7日金曜日

イタリアからの年賀メール

           
 玄関や床の間の正月飾り=写真=も、きょう(1月7日)まで。わが行政区では「鳥小屋」行事がないので、各家々がそれぞれのやり方で正月様を送る。わが家では、日曜日、夏井川渓谷の隠居の庭で「お焚き上げ」をする。

 正月気分もそれで一区切りつける。といっても、正月らしい楽しみといえば、賀状で友人・知人の近況を知り、あれこれ思いを巡らせることくらいか。あとはいつもの巣ごもりが続いた。

4日真夜中にイタリアから電子メールが届いた。このごろは夜の9時になると床に就く。5日朝、パソコンを開いてわかった。

 カミサンの高校の同級生がミラノの東、「ロミオとジュリエット」で知られるベローナに住んでいる。去年(2021年)の正月は、国際電話でのあいさつだった。今年は「電話がうまくつながらなかったのでメールにした」という。

 久しぶりにイタリアの「今」を感じた。コロナ禍にうんざりしたり、慣れてしまったり……。しかし、「こちらの年末年始は今までにない暖かさで、毎日近くの丘を散歩して過ごしています」

 暮れにアレッサンドロ・マンゾーニ(1785~1873年)の『婚約者』を読んだという。もちろんイタリア語で、だろう。400年前の疫病の恐怖が描かれているらしい。

「当時はこれで北イタリアの人口が半減したとか。隔離病院の様子や人々の心理描写を見て歴史は繰り返されるのだなと感じました」

 マンゾーニは、名前だけは記憶にあった。作品を読んだことはない。さっそく図書館のホームページで検索すると、文庫本があった。日本語訳では『いいなづけ』上・中・下。きのう午後、借りて来た。

 1年前のメールには、中道左派の日刊紙「ラ・レプッブリカ」の新聞切り抜きが添付されていた。松本清張(1909~92年)を紹介する記事で、見出しに「シムノンに似た日本のサスペンス作家」とあった(知人の翻訳による)。

シムノンは「メグレ警視」で知られるジョルジュ・シムノン(1903~89年)。清張と同時代のフランスのサスペンス作家だ。

このときも、図書館からシムノンの『家の中の見知らぬ者たち』『片道切符』『小犬を連れた男』を借りて読んだ。

『片道切符』はアンドレ・ジッドがカミュの『異邦人』より優れていると評価した作品で、人を殺(あや)める犯罪小説には違いないが、登場人物の心理描写が複雑で読みごたえがあった。「清張は日本のシムノン」「シムノンはフランスの清張」と納得した。

 別のメールでは、私がブログで取り上げた、北イタリアの山岳地帯を舞台にした小説、パオロ・コニェッティ/関口英子訳『帰れない山』(新潮社、2018年)に触れていた。

ご主人も『帰れない山』を読んだそうだ。モデルの山にも行ったことがある。「悲しい終わり方だね」と言っていたとか。今年のメールには雪を頂いた山脈の写真が添付されていた。モデルの山も映っているのだろう。

 陸続きと島国とでは、戦争と疫病に対する警戒心や恐怖心が違うかもしれない。そんなことを頭におきながら、『いいなづけ』を読み始めた。

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