2022年9月13日火曜日

猛禽類の食堂

                      
   ある意味では生と死の凄惨な現場には違いない。夏井川渓谷にある隠居の庭に、鳥の羽根がまとまって落ちていることがある。ふだんは人けがない。猛禽が安心して食堂に利用しているのだろう。

記憶に新しいところでは、去年(2021年)2月13日の日曜日がそうだった。母屋と風呂場をつなぐ坪庭に茶色がかった羽が散乱していた。そのときの拙ブログを抜粋・要約する。

――風呂場からホースを伸ばして、坪庭を「洗い場」にしている。そこに鳥の羽根がまとまって落ちていた。猛禽が鳥を捕まえ、坪庭まで運んで羽根をむしり取り、そこで食事をしたのだ。

オオタカか? そう思った瞬間、石森山での生々しい体験がよみがえった。ある早春の午後遅く、絹谷富士に登ると、たまたま頂上の岩場で伝書鳩を捕食中のオオタカと目が合った。

頂上の岩場に人間がヌーッと顔を出したから、そこを調理場兼食堂にしていたオオタカは驚いた。食事を中断して反時計回りに一回半、人間を左に見ながら絹谷富士を旋回して絹谷方面へ遠ざかって行った。

坪庭の鳥の羽根は長くて11センチ。色はオレンジ色に先端が淡い黒褐色、中央にも黒みがかった帯が入ったもの、あるいは黒褐色にオレンジ色の部分があるものと、バリエーションは豊かだが単純だ。

冬鳥のツグミだろうか。細く長い羽根を拾い集め、図書館から笹川昭雄『日本の野鳥 羽根図鑑』(世界文化社)を借りて照合すると、そうだった。

ツグミはムクドリ大だ。わが家の庭にもやってくる。渓谷の生き物の頂点に立つのは猛禽だが、鷹の種類までは特定できない――。

それから1年半たった9月4日の日曜日。庭の西側の菜園に生ごみを埋めようとしたとき、県道側の土手に植えてあるアジサイの根元に黒っぽい羽根が散乱しているのに気づいた=写真。

羽根から鳥の種類を特定するのは、シロウトには難しい。羽根の色と模様がそのまま、バードウオッチャーに見えているわけではないからだ。

1年半前のときには、羽根に赤みがかった色が付いていた。類推がはたらいた。冬場だったこともあって、ツグミと想像できた。

赤い羽根や緑の羽根でもわかるように、羽根は中央に「羽軸」がある。その両側に密生する羽根は「羽弁」。ペン先のような根元は「羽柄」。

羽根の長さは最長15センチ。黒っぽい羽根の先端が灰色っぽかったり、羽軸の片側が灰色っぽかったりするものがある。

今回はまだ種を絞り切れていない。ヒヨドリのようでもあるが、羽根の先端のグレーを見ると、キジバトの線も捨てきれない。たぶん、キジバト。そんなところまではこぎつけた。

 それはそれとして、隠居の庭を食堂にしている猛禽は、石森山で目撃したのと同じオオタカだろうか。食べられる鳥もそうだが、食べる側の鳥も気になる。ゆっくり、じっくり調べを重ねていくしかない。

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