2022年9月8日木曜日

ツルボかヤブランか

 若いころはよくいわき市平市街の裏山、石森山(224メートル)の遊歩道を巡った。花の少ない夏場、日当たりのいい草地に出ると、薄紫色の小花が筒状にかたまって咲いているのに出合うことがあった。ツルボだった。

 その印象が強かったからかもしれない。わが家の生垣の根元に1カ所、針のような葉が伸びて、その中心に何本か花茎が立って小花を付けていた=写真。

 ツルボがなんでここに? 家の周りを見ると、道路に面した北側の「犬走(いぬばしり)」にも1カ所、同じような草が生えて小花が咲いていた。

 生垣の下の草が「大人」なら、犬走の草は「子ども」だ。それくらい違う。で、両者は種類が別かもしれない――そんな疑問から検索が始まった。

 ツルボに似て、ツルボと同じように夏から秋にかけて咲く花がある。ヤブラン。ヤブランとツルボはどこが、どう違うのか。

 検索を続ければ続けるほど、植物学的な用語が壁になってわからなくなる。そこを我慢して、さらに用語の意味を探り続けていったら、やっと両者の違いが見えてきた。

 最初に知った違いは「総状花序」(ツルボ)と「穂状花序」(ヤブラン)だ。花茎に小花が付く、その付き方だが、小花のたもとの「柄」があるかないか、だという。しかし、その違いが素人にはわからない。

 さらに検索を続けると、ツルボの花の形は「長楕円状倒披針形」とあった。「長楕円状」はなんとなくわかる。字の通りだろう。「倒披針形」とは? 用語を解説するデータに出合ってやっと意味がわかった。

まずは「披針形」。細長く両端がとがり、中央より下が、一番幅が広い形を言う。「倒披針形」はその逆。中央より上が、一番幅が広いことになる。

要するに、小花の花びらが針のようになっていればツルボ、そうでなければヤブランということになる。

生垣の下から1本、犬走から1本、花茎を切り取って花瓶に飾り、拡大鏡を使って花の形を観察した。

ネットにアップされているツルボの画像を参考にして、両者の花の違いをいうと、ツルボはコブシのように風車状だが、ヤブランは桜の花のように花びらが丸みを帯びている。それでいちおう、私のなかでは、わが家の周りにあるのはヤブランだろう、ということになった。

カミサンに聞くと、いずれも植えた覚えはないという。どこからか種が飛んできて活着したらしい。

  シンテッポウユリとは違って侵略性はない。在来種でもある。増えるのはいい、消えるのはしかたがない、ということで放っておくことにした。 

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