きのう(9月4日)の日曜日は朝9時前、夏井川渓谷の隠居に着いた。途中、ガードレールを乗り越えるように、外来のアレチウリが触手を伸ばしているところがあった。
草野心平記念文学館で昼前、会議がある。カミサンを隠居に残して小川へ下り、会議を終えてまた隠居へ戻った。
「スズメバチに注意して」。念を押して出かけた。何年か前、隠居の風呂場の板壁のすき間を出入り口にして、キイロスズメバチが巣をつくった。カミサンが近くで草むしりをしていて、手をチクリとやられた。
やけどをしたような痛みが治まらないので、磐城共立病院(現いわき市医療センター)の救命救急センターへ連れて行った。「今度刺されたら、すぐ救急車を呼ぶように」。ドクターの言葉が今も頭から離れない。
で、私のいない間にまた刺されたら、アナフィラキシーショックを起こしかねない。隠居には、固定電話はない。スマホは私が持っている。連絡が取れないまま、庭にひっくり返っていたらどうしよう。文学館から戻る途中、何度かそんな不安が頭をよぎった。
例年、8月から9月にかけて、スズメバチに刺されたというニュースが流れる。今年(2022年)も連日のように、県紙に記事が載る。
SNS(会員制交流サイト)のフェイスブックで、知り合いがハチに刺された顛末をアップしていた。
草刈り中にハチの集団に襲われた。左手を3カ所、右手・腕を各1カ所刺されて、医師の手当てを受けた。「ヤバかったらしい」。このことも頭にあった。庭に現れるベニシジミ=写真=などとは違うのだ。危険で攻撃性が強い。
街なかと違って、山里は怖い生きものとも“共存”しないといけない。隠居に着くとすぐ、上の庭と下の庭をつなぐ“桟橋”を見る。枕木を3本横に並べ、何カ所かに滑り止め用の板を打ち付けて、階段代わりにしたものだ。
上部の支えが朽ちたため、上の庭からは20センチほどずり落ちている。そのずり落ちたてっぺんに、マムシがとぐろを巻いて休んでいることがある。
きのうはいなかった。スズメバチのほかに、「マムシにも注意を」とはいってある。ところが、つい草むしりに夢中になると、相手のテリトリーまで踏み込んでしまう。
危険な生きものだけではない。侵略的な虫も、植物もいる。この欄で何度か取り上げているナラ枯れは、隠居の前の山はまだ――そう思っていたが、奥山の尾根筋に一本、全身が赤茶けた木があった。
樹形からして針葉樹ではない。午後から晴れたので茶髪がはっきり分かった。いよいよカシノナガキクイムシ(カシナガ)がアタックしてきたか。
下の庭は土手に沿ってヤブができている。クズがそれを覆っている。赤紫色の花も咲いている。ここはまだアレチウリではなく、在来のクズが優先している。シンテッポウユリもいまのところはない。
文学館から隠居へ戻ると、カミサンが玄関前で草むしりをしていた。そうして動いているのが当たり前であっても、とにかくホッとした。
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