2022年9月30日金曜日

アカモミタケはこれから

                             
 春はアミガサタケ、梅雨どきはマメダンゴ(ツチグリ幼菌)、秋はアカモミタケ。いずれも夏井川渓谷の隠居の庭(除染済み)に発生する食菌だ。立ち枯れの庭木には、たまにアラゲキクラゲとヒラタケが生える。

 わが隠居の庭に限っていえば、今年(2022年)はどうも不作らしい。アミガサタケは何個か採っただけで終わった。マメダンゴはゼロだった。

 それもあって、秋のキノコのシーズンに入った今は、隠居へ行くたびに庭のモミの木の根元をチェックする。

 過去の拙ブログに当たると、アカモミタケは、時期的にはまだ早い。去年はこんな具合だった。

 【9月下旬】道路に面したモミの木の根元にアカモミタケが一つ、別のモミの根元にも同じくアカモミタケが一つ生えていた。やっと出たか、という思いになったが、これはむしろ走りのアカモミタケだろう。つまりは、初物。

過去の記録の通りなら、10月に群生するはずだ。アカモミタケは、震災前の記憶では庭に発生することはなかった。今思えば、発生に気づかなかっただけかもしれないが。

 【10月上旬】日曜日は街で用事があった。土曜日に隠居へ行った。着くとすぐアカモミタケを探した。図星だった。先週の日曜日の2個に続いて、この日は3個採った。

 【11月下旬】暦が11月に替わってすぐの晩、けんちん汁が出た。隠居の畑で栽培している三春ネギと、庭のモミの樹下から採ったアカモミタケ、好間の直売所で買ったニンジン、里芋、ほかにこんにゃくや豆腐、ゴボウが入っている。

これをおかずに晩酌を始める。キノコからいい出汁が出ていた。ニンジンと里芋がやわらかい。三春ネギからはほのかな香りが立つ。この時期だけの組み合わせだ。

いつもそうだが、けんちん汁があれば、ほかにおかずは要らない。しかも、晩酌はだらだらと続く。必ず「おかわり」になる――。

というわけで、アカモミタケはたぶんこれからだ。先の日曜日(9月25日)はアカモミタケの代わりに、積もった落ち葉の間からハナオチバタケの褐色型が出ていた=写真上1。梅雨の花のホタルブクロも狂い咲きしていた=写真上2。

ハナオチバタケの傘の直径は1センチほど、柄は細くて黒い。よく「針金のような」と形容されるが、頭から森が消えた人間には「黒髪のような」というたとえの方がぴったりくる。

9月17~19日、同23~25日は短い間隔で3連休になった。天気はあまりよくなかった。それが逆に菌糸にはいい刺激になったはずだ。とにかく早くアカモミタケを採って食べたい。まずはけんちん汁、それから吸い物にして。

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