2022年9月27日火曜日

「生存確認」の再会

          
 9月25日の日曜日は午前中、夏井川渓谷の隠居で過ごした。土いじりをしたあと、庭を巡ってキノコや花をチェックした。季節外れのホタルブクロが咲いていた。

 この日は午後、仙台市から同級生が奥さんとやって来る。早めに昼食をすませ、街へ出て買い物をしたあと、家に戻った。

 同級生の目的は内郷の国宝白水阿弥陀堂見学だ。何日か前、突然、電話がかかってきた。「ハクスイに行く」「ハクスイ? シラミズっていうんだぞ」

昔から冗談と誤読の境がつかないところがある。ハクスイは冗談にしても、あえてシラミズと読むことを伝えないわけにはいかなかった。

東日本大震災の前は(いや、その後もだが)、渓谷の隠居で一泊しながらミニ同級会を開いてきた。震災前までは毎回、仙台から渓谷にやって来た。

平成21(2009)年のゴールデンウイークには、酔った勢いでスウェーデンの同級生に電話をした。病気療養中だった。「見舞いに行こう」というと、みんなが賛成した。これも酔った勢いだ。

隠居に集まった人間を中心に、9月のシルバーウイークを利用して、仙台の同級生夫妻を含め7人で出かけた。60歳。“シルバー海外修学旅行”の始まりだった。

それから8年後の平成29(2017)年、彼の訃報が届いた。師走にわが家の近くの故義伯父の家で偲ぶ会を開いた。スウェーデンへ病気見舞いに行った7人のうち5人が集まった。当時の写真などを飾り、献杯した。

北欧のあとには台湾へ行き、ベトナム・カンボジアを訪ね、また台湾を巡った。仙台の同級生は北欧だけの参加で終わった。ミニ同級会にも来なくなった。が、「便りのないのはいい便り」で、心配はしていなかった。

とはいえ、電話がかかってきたときには、つい「生きてたか――」「お前も生きてたか――」というやりとりから、話が始まった。ともかくもそれぞれの日常を生きている。それを確認できただけでもよかった。

大企業に就職し、途中で鍼灸師として自立した。今も仕事を続けている。ミニ同級会に来ると、梅安先生よろしくみんなの体をもみほぐしてくれた。

仕事のかたわら、高齢者施設などでボランティア活動をしている。今は「川劇(せんげき)」の「変面」を披露しているという=写真(チラシ)。

京劇に似た中国の伝統演劇のひとつで、体を動かしながら、瞬時に「隈取り」を変える。この“秘技”にお年寄りはびっくりする。それが楽しくて続けているのだとか。

川劇の本場は四川省で、そこへ習いに行ったとは言ってなかったから、自己流なのだろう。にしても、難しいワザをよく覚える気になったものだ。

最後はやはり、うつぶせになったところをぐりぐりしてもらった。腰が張っているのか、そのへんを中心に悲鳴をあげそうになった。自分の体の状態がよくわかった。

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