日曜日(11月20日)に生木葉ファーム(好間)の直売所でニンジンその他を買った。去年(2021年)、買って食べたら甘くて軟らかかった。
以来、行けばニンジンを探す。が、旬は晩秋~冬。展示スペースに並んでいたので、ようやく手に入れた。
「てんぷらにするといい」と教えられた。その晩、てんぷらになって出てきた=写真。やはり、甘くて軟らかい。葉の香りも味も穏やかだ。1枚余ったので、翌日、また晩酌のおかずにした。
ニンジンは硬い、というイメージが一変した。ニンジンだって軟らかい。いや、ニンジンに限らない。食べ物の基本は「軟らかい」ではないか。
若いときは、そんなことは意識せずに硬い果物でもなんでも丸かじりした。が、今はそうはいかない。
いつのころからか、江戸時代中期に生きた尾張藩士で俳人の横井也有(1702~83年)の狂歌が舌頭を転がるようになった。
皺はよるほくろはできる背はかがむあたまははげる毛は白うなる
手は震ふ足はよろつく歯はぬける耳は聞こえず目はうとくなる
最初は頭髪、次に目、そして歯と耳、やがて足。也有の自虐ネタではないが、肉体の老化が止まらない。
頭では足が上がっているつもりでも、実際には上がっていない。ちょっとした段差につまずく。階段に足のつま先をぶつける。そんなことが増えてきた。
歯は、右上の親知らず(第三大臼歯)を抜いた。すると、今度は右下の親知らずに違和感を覚えるようになった。
舌で探ると、“横穴”が開いている。それに気づいてからは、朝だけでなく、夜も歯を磨くようにした。でも、そろそろ限界だ。モノを食べると、たまにうずく。歯医者へ行かないといけないようだ。
それもあって、このごろは「軟らかい」が一番という思いが強い。その最たるものがジャガイモだろう。
三春ネギを栽培している。香りがあって軟らかい。収穫したらネギとジャガイモの味噌汁にする――それを基本にしている。
口に含むとすぐほぐれるようなジャガイモでないと、ネギとのハーモニーは生まれない。そのジャガイモに当たり外れがある。加熱しても硬い。
大根にも同じことがいえる。煮物にしても、なかなか箸で割れないものがある。そうなると、歯の悪い義弟などは敬遠してしまう。
糠漬けもそうだ。私はいろいろな味を確かめたくて、ニンジンや大根も漬ける。ところが、義弟やカミサンは、これにはなかなか箸を向けない。結局、私が全部食べることになる。
で、今度は生木葉のニンジンを1本だけ、縦に二つに割って糠床に入れてみた。キュウリは12時間(半日)でいいが、念のために24時間漬けた。大根並みに軟らかい。カミサンに勧めたが、一切れで箸が止まった。
そうか、やはり歯の具合が関係している。いくら軟らかいといっても、糠漬けのニンジンは食べてもらえないことがわかった。
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