今年(2022年)のいわき地球市民フェスティバルが勤労感謝の日の11月23日、いわきPITで開かれた。
いわき市民間国際交流・協力団体連絡会と市が共催した。シャプラニールいわき連絡会が同団体連絡会に名を連ねている。それで、私も初回からカミサンのアッシー君としてかかわってきた。
以前は各団体がブースを持って展示・紹介をしていたが、平成29(2017)年からは日本語スピーチコンテストに衣替えをした。審査員は、前は5人、今は4人だ。私もその一人として、外国にルーツを持つ市民のスピーチに耳を傾ける。
そのつどブログに書いているので、読むと当時の状況がよみがえる。最初はいわき駅前のラトブで、次は常磐の古滝屋、そして3年前からは平のいわきPITを会場にしている。
おととし、去年とコロナ禍のために、動画による審査になった。とはいえ、出場者は会場に詰めかけ、ステージで表彰式に臨んだ。
コロナ禍3年目の今年は、動画ではなく、本人が壇上に立ってスピーチをした。聴衆も受け入れた。
テーマは「いわきでの忘れられない体験~うれしかったこと、悲しかったこと、そして、私の夢」。一般の部にベトナム、ニュージーランド、ネパール、中国出身の10人、高等教育機関の部にベトナム、韓国、ネパールの3人のほか、ロシア侵攻による戦火を避けていわきへやって来たウクライナ出身の学生1人が出場した。
一般の部で大賞を受賞したのは、技能実習生のグエン・ティ イエンさん(姓・名=ベトナム)で、「iwaki―優しい町」と題していわきを生活と労働の場として選んだこと、駅のホームで財布を置き忘れたら、高校生が駅員に届けてくれたことなどを話した。
「選択肢があれば、ベストを選ぶこと。なければ、ベストを尽くすこと。人はどこで生まれるかは選べないが、どのように生きるかは選べる」。そうやって、自分はいわきへやって来た。
そして、置き忘れた財布が無事戻ったことで、「いい人は遠くにいるわけではなく、いつも身近にいる。あの高校生のような善良な人が、いわきにはたくさんいる」ことを実感する。スピーチの冒頭から、引きつけられる内容と明快さが評価された。
高等教育機関の部では東日本国際大2年生のファム
ティエン・リンさん(ベトナム)が大賞を受賞した。
彼は「私の旅」と題して、「幸せ」について話した。ある日、知り合ったばかりの小学生と一緒にサッカーをした。
そのとき、「兄さん、一番何をしたい?」と聞かれ、冗談半分に「宇宙で輝いている星を触りたい」と答える。すると小学生が地面を触って、「ほら、触れたよ」という。
彼は即座に理解する。目の前にある小さな幸せに気づかなかった、自分の探しているものは「いつかのもの」ではなく、「いつものもの」だった、と。
大賞以外の出場者には特別賞が贈られた。そのあと、審査員も加わって記念撮影が行われた=写真。今回はなぜか胸にジンとくるスピーチが多かったように思う。
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