2022年11月8日火曜日

紅葉と直売所

                     
   11月6日の日曜日はこの秋一番の行楽日和となった。夏井川渓谷は尾根から谷へとツツジ類やヤマザクラ類、その他の落葉広葉樹が赤や橙、黄色に染まり、アカマツとモミの緑と混じり合って、「錦繡(きんしゅう)」をまとっていた。それだけではない。谷間のカエデも早々と色づき始めた=写真上1。

 この二十数年、夏井川渓谷の“定点観測”をして分かったのは、紅葉には二つあるということだ。

「前期の紅葉」と「後期の紅葉」、あるいは「非カエデ」と「カエデ」。全山紅葉を楽しむなら10月後半~11月前半の非カエデ、ピンポイントで紅葉を楽しむなら11月後半のカエデだ。

 一般の行楽客は、おそらくは「全山紅葉」が目当てでやって来る。参考にするのはテレビの「紅葉情報」だろう。

テレビはしかし、カエデ限定だ。私がテレビ局のディレクターだったら、「前期」はヤマザクラの葉、「後期」はカエデの葉をマークにする。カエデ一本で紅葉を表現すること自体、無理がある。

 ところが今年(2022年)は11月初旬だというのに、両方の紅葉が見られる。もちろん、あおいままのカエデもある。

 なぜ例年よりカエデの紅葉が早いのか。いわき市山田町で10月、最高気温が15度を下回った日が5日あった。6・7・19・24・25日で、なかでも下旬の寒気にカエデが反応したのではないだろうか。

 JR磐越東線江田駅前にはこの時期、直売所が設けられる。小野町のNさんもナガイモやゴボウなどを販売する。

10月初旬、渓谷にある隠居へ行くのに駅前を通ると、Nさんがパイプで直売所を組み立てていた。

そのあと、わが隠居を訪れた。隣の錦展望台を管理しているKさんの電話番号を教えてくれという。電話番号は知らないが、家がすぐ近くにある。家までの道順を伝える。

それからほぼ1カ月。おととい(11月6日)の朝9時、江田駅前を通ると、Nさんが露地に曲がりネギを並べ終えたところだった=写真上2。

 今シーズン初めての店開きだ。1カ月前に隠居へ来たとき、「今年(2022年)はネギの出来もよかったので、持ってきます」といっていた。ここ何年か、曲がりネギが並ぶことはなかった。さっそく、5束を買う。

 その場での話。Kさんに会って、錦展望台の一角を直売所に利用する許可をとったので、前日の土曜日はそこでナガイモなどを販売した。

すると、駅前の直売所を利用する常連さんから自宅に電話がかかってきた。帰宅すると、「どこに行ってたの?」。奥さんにしかられたそうだ。体はひとつ、場所はふたつ。次回からは両方で開くことにした。

夏井川渓谷には紅葉の時期、江田駅前と上流の錦展望台に行楽客が集中する。今度の週末からは、Nさんと奥さんがそれぞれどちらかを担当することになるわけだ。

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